過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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443: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/06(金) 22:53:27.89 ID:upW2heo+0
「あ、えっと、その……服……似合ってるし…………か、可愛い、と思うぞ」

「か、か!?……あ、……ありがと」

俺の言葉に目を見開いた後、由比ヶ浜の顔はかーっとコートとおそろいの色になった。そりゃ驚きもするだろうさ。心の

中ではいくら思ってもそれを口に出すことなんてなかったんだから。でも、もうそれもやめだ。俺はもう彼女への好意を

隠しはしない。相手がどう思っているかに関わらず、俺は自分の想いを彼女に告げなければならない。だから……

「あ、あのさ…………俺、由比ヶ浜に大事な話が……あ、あるんだけ」

「ちょ、ちょーっと待って!ヒッキー」

俺が言い終わる前に由比ヶ浜が両手をバッと前に出して制止の体勢を取る。彼女が急に大声を出したせいで周囲の通行人

の視線がこちらに突き刺さる。痛い。由比ヶ浜もその視線を感じたおかげでまだその顔は赤いままだ。今度はその自分の

顔の熱を冷ますように、手でパタパタと扇ぎ始めた。ふ〜っと息をついて少し落ち着いた様子を見せると、今度はこちら

に一歩近づいた。そして俺をチラチラ見ながら小声でそっとつぶやく。

「こ、ここだと……恥ずかしいから…………ちょっと……来て」


こちらが返事をする前に由比ヶ浜は外の方をちょいちょいっと指さし、小さい歩幅で歩き始めた。仕方ないので、俺は

彼女の後ろについていく。いったん駅舎から外に出て、通路からは植栽で陰になって見えないところにまで来て由比ヶ浜

は立ち止まった。ゆっくりと振り返って体をこちらに向け、視線は斜め下にやったままで彼女は言う。

「ここで、なら…………いいよ」

「そ、そうか……」



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