過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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805: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/15(火) 22:31:04.00 ID:pnA9FjtQ0
「むしろそういう……失望されるのが怖いということは、認めてしまった方がいいと私は思うわ。そして、その上でその

ような弱い部分を変えられるのであれば、変えた方がよいのではないかと…………」

「……相変わらず雪ノ下は、雪ノ下だな」

あきれと安堵からふっとため息が出ると、雪ノ下はニッコリと笑ってこんな言葉を返す。

「あら、これも……あなたの期待に応えてみただけよ」

「そうかい……」

「ねぇ、比企谷くん」

「……なんだ?」

「もうこれからは、何かに理由をつけて私たちから遠ざかろうとするのはやめてもらえないかしら。私もあまり人のこと

を言えた義理ではないのかもしれないけれど、これからはありのままのあなたときちんと向き合っていきたいと思って

いるわ。たとえそれが私の中の幻想を壊すものであったとしても」

「…………わかった」


たぶん俺と雪ノ下は今でもほぼ同じ場所に立つことはできているのだろう。だから、距離自体はそれほど離れてはいない

のだ。でも、互いの姿を直接見ることはおそらくまだできていない。背中合わせになって見ているのは、自分の前にある

幻想という名の鏡だ。二人とも振り返って直接向き合うのには、おそらくまだ時間がかかる。しかし、現時点ではそれが

確認できただけでも充分だろう。俺もまだ、自分の中にある雪ノ下雪乃の幻想を見ているところがあるのだし。彼女の

そんな言葉を聴いて、自分も言わなければならないことがあるのを思い出す。

「それはたぶんお互い様だ。俺もお前に嘘の告白をした時、期待していたのは“いつもの”雪ノ下雪乃だったしな。まぁ、

結局それも幻想に過ぎなかったわけだが」

「……そうね」




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