34:上げ直しです
2013/08/03(土) 14:58:56.74 ID:szjpcXzQ0
目的地に着いたはいいが、
「しまったな………」
「今日はНеудача………失敗が多いですね。もしかして、お疲れですか?」
「いや、そんなことはないと思うが………」
言いながら荷物を確認する。
山道を歩くということで運よく車に積んであったリュックにシートや飲み物を入れたのだが、
「枕を忘れた………」
「Действительно?」
本当ですか?
「ああ」
「そうですか…………」
肩を落とす彼女に申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。
アナスタシアはシートの上で寝転ぶのをひどく気に入っていた。
そのお供である枕を忘れてしまった罪はさぞ大きいことだろう。
「すまないが、今日は枕なしで我慢してくれ」
「ダー………分かりました」
頷き、ころんと横になる。
せっかくの星空だというのに、少しだけ翳って見える。
なんとも勿体ない。
アナスタシアも似たようなことを考えていたのか、やりきれないような表情で夜空を眺めていたが、ふと、
「………プロデューサー」
「どうした?」
「………やっぱり枕ほしいです」
「そうか………」
どうしてもというなら仕方ない。
忘れてしまったのは自分だし、車まで取りに行くとしよう。
そう思って彼女に背を向けようとしたのだが、
「………プロデューサー」
彼女にもう一度呼ばれた。
「なんだ?」
「………隣、来てください」
そう言って彼女はまだいくらか余分のあるシートをぽんぽんと叩いた。
「………枕、貸してください」
ちらり、と横目でこちらを見て、彼女は言った。
「………………プロデューサーの、腕枕」
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