過去ログ - 世界が終わる前に考えた、いくつかのこと
1- 20
10: ◆DmLHJ6FzMs[saga]
2013/08/02(金) 15:28:55.18 ID:p/27QdiH0

小さな庭で彼女と靴を履き替えながら、軽く庭を見渡した。

蝉が唯一、僕らの静かな街を賑わせてくれているようだ。
さて、行く宛なんて考えてないけれど、どこに行こうか。

「先輩。別れ道です。世界の終わりで人生の岐路ですよ」

「わけがわからない。で、どっちの道が正解なんだろう」

「どちらにしろ、人生の帰路にはつけると思いますけど」

ああじゃあこっちでいいよ、と僕は片方の道を歩き出した。
彼女は何も言わずにとことこ着いてくる。非常に楽しそう。

「どっちに行っても、何にもない風景ばっかなんだよな」

「何もないと思っていても、案外色々あると思います。
 人間、見たいものしか見ないような気がするんですよ」

「じゃ、色々な物が見たいって思えば、見えるのかな?」

「見えるんじゃないでしょうか。きっと、いえ、絶対。
 些細なことにでも感慨深くなれると、私は思いますよ」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
49Res/34.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice