過去ログ - 世界が終わる前に考えた、いくつかのこと
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17: ◆DmLHJ6FzMs[saga]
2013/08/02(金) 15:35:55.27 ID:p/27QdiH0

「ねえ。君は。君の小さな頃の夢って、何だったのかな」

「私は、何でしたっけ。お菓子屋さん、とか書きました」

「僕は。僕は、何になりたかったのか、分からないんだ」

このまま大学生活を終えて、何となく就職して生きていく。
僕はいつしか、それを疑いもせずに受け入れていたんだな。
僕の夢は、ほこりだらけで、泥だらけだ。光ってすらない。

「せめて、夢を抱いて死にたかった。悔しい。悔しいよ」

涙が零れた。人前で、女の子の前で泣くなんて恥ずかしい。
けれど、そういうことを一度考え出したら止まらなかった。
涙する僕を見て、彼女は真剣に、けれど優しく僕に言った。

「先輩。走れます? 私早いですよ。家まで競争ですよ」

「負けたらコーラおごりですよ」と本当に全速力で消えた。
女性とは思えない速度だった。僕も涙を拭って家へ走った。

「全てが消滅する前に、先輩の夢だけは見つけましょう」




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