過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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12: ◆OdfYj4TIEc[sage]
2013/08/03(土) 23:44:02.62 ID:vPT+pcECo
「――」

もう問いを発することも出来ない。耳にかかる咲の吐息と、背中に当たった一部が硬い柔らかな感触に耐えるだけで精一杯だった。

「ごめんねお姉ちゃん。本当に久しぶりだから、ちょっと甘えんぼになっちゃったみたい」

「あっ、ああ・・・」

甘い甘い咲の声が耳から直接脳を刺激するように響く。

そのくせ内容なんか一つも理解出来ていなかったが、私は喘ぎ声を誤魔化して肯定した。

「ふふ、暖かいなぁ」

満足気に呟いて咲は瞼を閉じる。

(だ、駄目だ、早く、離れないと)

思考までも途切れ途切れになりながら、私はこの状況を脱しようとするが、意思に反して体は動かず、鋭敏に咲の肌の柔らかさを伝えてきた。

落ち着いたはずの息が、心臓が、再び激しさを増す。

シャワーを持った手も動きを止めて、私は肩で息をする以外に体を動かすこともなく、ただ咲に抱きしめられるだけになっていた。

鏡の中の咲は熱に浮かされたように顔を上気させて、私と同じように荒い息を吐く。

私はそれが耳を撫でるたびに体が大きく跳ねそうになるのを、懸命に圧し堪えていた。

「お姉ちゃん、私・・・」

昨夜と同じ、情欲に濡れた咲の声。お腹に回されていた咲の手が滑るように上ってくる。

「駄目・・・!」

胸にたどり着くまであとわずかといったところで、私は石像のように固まった腕を動かして咲の手を止めた。

「・・・あんまり大きくなってないからってそんなに必死にならなくてもいいのに」

冗談めかして笑い、咲は私から離れていった。

「・・・お前だって変わらないだろ」

小さく反論して取り落としたシャワーを拾う私。

手を止められたあと、咲が笑う前に悲しそうな、残念そうな顔をしていたことを私は見逃さなかった。

(咲、お前はそこまで私を・・・)

私はもう一度シャワーを持ち上げて頭から水を浴びる。

未だに温度のわからない水が体を伝い落ちるが、咲の柔肌の感触までは落としてくれなかった。


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