過去ログ - 照「咲が私をオカズにしてた・・・」
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52: ◆OdfYj4TIEc[saga]
2013/08/07(水) 23:39:37.66 ID:6MvaYOfxo
「咲の幸せのためって咲からやってきたことでしょ。してあげる方が幸せになるんじゃない?」

「その一瞬が幸せでもその後は必ず不幸になる!」

「刹那的な快楽には興味ないって言うのね」

何が楽しいのか少女は肩を震わせるのをやめない。

私と同じ顔で人の神経を逆撫でするように笑う少女の姿は無性に腹立たしかった。

「せっかく長年の想いが実ったのにもったいない」

「どういう意味だ?」

「惚けないでよ、貴女が咲から離れた理由の一つじゃない」

思わず一歩後ずさってしまう私。少女が口の端を吊り上げた。

「な、何の話だ。私が咲から離れたのは――」

「咲の宮永照が姉であるという認識を薄れさせるため」

少女の言葉が冷たいナイフのように私に突き刺さる。

「ち、違う!」

「違わない。貴女は一緒にいたら咲に姉と思われたままで恋仲になることが出来ないと考えた。だから咲から離れていった」

体が震える。消えたはずのドロドロしたものが全身を這いずり回るようなおぞましい感覚が私を襲う。

「だ、だったらなんで咲に嫌われるような真似をしたんだ!?」

「言ったでしょ、咲から離れた理由の一つだって。貴女は咲に好かれたいという想いと嫌われたいという想い、二つの相反する想いを抱えていた」

私の反論にも動じず少女は獰猛な笑みを深くした。

「どっちが本当の、強い想いだったか。貴女は後者の方を念仏のように唱えてるけどね、本当の想いって言うのは得てして秘められてるものなのよ」

「ち、違う! 違う!」

対して私はそれ以上まともに言い返せず、ただ頭を振って否定の言葉を繰り返すだけしか出来ない。

気付いていた。少女の言うような感情が私の中にあったことなんて。

だけどそれは咲のことが好きだから、思ってしまっても仕方ないと無視していたものだった。

それこそが私の本懐であるなんて考えたこともなかった。いや、考えないようにしていた。

深く突き詰めてしまうと取り返しのつかないことになる。そんな予感がしていたから。


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