過去ログ - 千早「Brand New Day」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/06(火) 07:42:15.56 ID:yKhvOO5V0
昔は、そうだった
あの子と外を歩く時はよく、手を繋いでいた
何か興味を惹く物を見付けた時には、あの子は私の手を引っ張り走ったものだ
懐かしい、もう二度と会えない家族との思い出が、甦る
それと同時に、悲哀の念が沸き起こる
刻々と熱が逃げ、冷えて往く掌に、私は胸を締め付けられる様な、そんな気が、した
誰かと手を繋ぎ、離れてしまう事、それがこんなにも嬉しく、そして悲しいモノだと
本当に、久しぶりに思い出した
「……ん?」
いぬ美が私の脚に鼻を押し付けている
「どうしたの? いぬ美?」
押し付けるのを止め、いぬ美は私を見る
犬は人間の感情に敏感だ、そんな話を聞いたことが在る
それに、いぬ美は優しくて世話好きな我那覇さんの家族でもある
だから
「もしかして…… 慰めてくれてるの…… かな?」
いぬ美の眼を見ると、そんな気がする
勿論、実際の処は分からないけれども、私にはそう思えてならなかった
「ありがと」
お返しに首をワシワシと撫でて上げる
モフモフとした手触りが気持ち良い
……うん、せっかくだから、もう少し、このモフモフを堪能させて貰う事にしよう
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