546:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/09/22(日) 23:55:56.84 ID:G6TKrhiAo
<仲直り>
兄「これはどうすんの?」
妹「布団は畳んで元通り押し入れにしまって。その間に洗濯したシーツを干しておくか
ら」
兄「わかった」
妹「それが終ったら部屋を掃除機で掃除しておいてね」
兄「帰る前に別荘を元通りに戻しておけって父さんから言われたのをすっかり忘れてた
な。これじゃここを出発するのってどう考えても午後になりそうだよな」
妹「最初は四人でする予定だったから、午前中には終るはずだったんだけどね」
兄「まあ二人でやるしかないけどさ」
妹「・・・・・・ごめんね」
兄「姫が謝ることはないけど。とにかくさっさと終わせようぜ」
妹「・・・・・・うん」
兄(妹が俺の彼女になるって言ってくれて)
兄(普通なら二人でいて一番楽しいときのはずなのに)
兄(伯父さんの別荘の片づけで帰りが遅れることも、渋滞で車が動かないことさえ)
兄(妹とそれだけ長く近くで二人きりになれるんだから)
兄(付き合いたてならそんなことすら嬉しいはずだよな)
兄(・・・・・・姫のせいじゃない)
兄(俺には姫を責める資格なんかない。こいつだってもう高校二年だし、付き合っていた
んだから彼氏とキスしたって何の不思議もないんだ。妹の言うとおりだ。俺や父さんは勝
手に姫に対して自分たちの幻想を押し付けてるだけなのかもしれない)
兄(姫だって、いや姫なんて呼ぶこと自体がおかしい。妹だって単なる女子高生だし本人
だってそのつもりでいただろうに。妹を姫君とか勝手に祭り上げていた俺や父さんの自分
勝手な思い込みが妹にとっては一番の負担だったかもしれないじゃんか)
兄(そもそも中学受験させて富士峰女学院に入学させることだって、今にして思えば妹は
自身は全然望んでもいなかったんじゃないか。むしろ近所の公立中学に進学する友だちと
お別れするのを嫌がってたくらいだし)
兄(それでもあいつは俺や父さん母さんが大好きだって言っている。妹に勝手にお嬢様路
線を押し付けたのはその大好きな家族だって言うのにな)
兄(そんな妹が普通に彼氏君のことを好きになろうとして、その結果ファーストキスの相
手があいつになったのなんてむしろ祝福してもいいくらいじゃないか。言うに事欠いて俺
が妹の初めてのキスの相手じゃなかったなんて、そんなことに拗ねている俺の方が異常
だ)
兄(俺は妹が好きだ。それだけはもう間違いようもない。でも、自分の勝手な幻想を妹に
押し付けるのはやめだ。妹が俺のことを好きだと言ってくれただけで十分だろ。これ以上
妹に何を求めようって言うんだ)
兄(昨日の夜の俺の態度は最悪だったから、もう手遅れかもしれないけど。それでも今か
らでも態度を改めよう)
兄(妹が許してくれるかどうかはまた別問題だけど。たとえ振られても妹の味方になろ
う。父さんが妹に変な幻想を抱いて無茶言うなら俺が父さんに反対してやる)
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