過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/06(火) 23:52:49.79 ID:AtSs9Wk7o

<嫉妬するわけないじゃん!>




女「よう兄」

兄「おはよ」

女「何で朝からそんなにげっそりした顔してるのよ。晴れて第一志望に合格してさ。あと
は卒業式を待つだけの幸せなモラトリアムの時間なのに」

兄「おまえこそ発言に棘がある。モラトリアムって言うなよ。生々しい」

女「だってそうじゃん? 普通なら今は進路も決まって惰性で卒業式の予行練習しに登校
しているだけだから、身も心も軽いでしょ?」

兄「それはまあ。でも浪人決定したやつとか第一志望を逃したやつ以外はみんなそういう
心境なんじゃね」

女「それが甘いね。むしろ、今は戦々恐々として不安に苛まれていなければおかしいでし
ょ」

兄「何でだよ。長かった受験生活が成功に終了したんだぞ。どう考えたって明るい未来し
か浮かんでこないじゃんか」

女「あんたさあ、目前に迫った大学生活をどう考えてる?」

兄「どうって・・・・・・。そりゃ、前から行きたかった大学だし、夢も希望もあるけど」

女「うふふ」

兄「うふふじゃねえよ。何が言いたいんだよ」

女「夢と希望かあ。そうだよね、それが普通だよね」

兄「おまえだって志望校に合格したんだろ? 嬉しくねえのかよ」

女「合格した時は嬉しかったよ。でも、その後に不安が豪雨前に暗雲に覆われる空のよう
にあたしの心を灰色に塗り潰したね」

兄「おまえ、修辞語下手だな」

女「想像してみてみ? 希望して入学した大学。憧れていたキャンパスライフ。でも、眩
しくさざめく新入生たちの間にはあんたの居場所はない。講義でも期待して入ったサーク
ルでもあんたはぼっち。周囲は知り合ってすぐに、さっそく友だちトークを繰り広げてい
るのに、あんたは学食で一緒に食事をする友人すらできない。そんな光景を」

兄「おい、やめろ。・・・・・・やめろ」

女「やはり気づいてはいたのね。ひょっとしてだからあんたは暗い顔してたの」

兄「いや、それは関係ない」

女「何よ。大学でぼっちになるかもしれないのに、それ以上の悩みがあんたにはあると言
うの?」

兄「ま、まあな」

女「相談してみ? あたしだってあんたのこと心配なんだしさ」

兄「・・・・・・いつから?」

女「へ?」

兄「いつから俺のこと好きだったの?」


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