833:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/15(金) 21:59:04.68 ID:ijVZ6DH4o
<笑う妹友>
しばらくお兄さんと他愛ないようで、でもよく考えるとそうでもなく実はかなり突っ込
んだ内容の話をした。寝入ってしまった後部座席の二人のことなどもう全く意識の中にな
かった。
こういう深い内容の話をお兄さんとリラックスしてできる日が来るとは思っていなかっ
たので、このときのあたしは少しだけこの状況下で許された幸福に酔っていた。これだけ
でも正直最初は気がすすまなかった四人での旅行に来た甲斐があったなってあたしは思っ
た。
「それにしても何でいきなり席替えしたんだろうな」
「その方が楽しいじゃないですか」
「そうかなあ」
「あたしよりお兄ちゃんが隣にいた方が嬉しかったのですか」
「そうじゃねえけど」
「・・・・・・え? まさかお兄さんってそっちの趣味が」
「何の話だよ」
「冗談ですよ。お兄ちゃんと妹ちゃんだって隣にいたいんじゃないかと思って」
「おまえが提案したのか」
「はい。二人からは言い出せないだろうと思ったので、あたしが犠牲になろうかと」
「自らお兄さんの隣に座りたいって妹ちゃんに駄々をこねてみました」
「・・・・・・そう」
「せっかくそこまでして気を遣ってあげたのに二人して寝てしまうとはバカですよね」
「さあ。俺にはよくわかんねえけど」
「まあ、次の休憩でまた席替えをしましょう」
「ラブシャッフルかよ」
「またずいぶんと懐かしいドラマのことを」
「おまえさ」
「何でしょう」
「いつの間に妹と仲直りしたの」
「今日のお誘いの電話をもらったときです」
「え? 喧嘩状態だったのに妹はおまえを旅行に誘ったんだ」
「妹ちゃんも仲直りしたかったんじゃないですか。それで誘ってくれたんだと思います」
「も?」
「はい。あたしも同じでしたから」
「そうか。まあ、これがきっかけになったのならよかった」
「お兄さんにはご迷惑をおかけしました」
「おまえに謝られると気持悪い」
「・・・・・・お兄さんひどい」
「口の悪さはお互い様だ」
「ふふ。そう言えばそうでしたね」
「自覚くらいはしてたのか」
「はい。わかっててやってますから」
「本当にたちが悪いな」
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