845:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/19(火) 23:01:22.56 ID:8/j3DU9wo
<こういう組み合わせなんだ>
「海からのいい風が来るんだね」
こんなときだけどこの場の雰囲気は悪くなかった。暗くなっていたために海を見ること
はできなかったけど、海からの涼しい風が吹いているのは感じ取れた。
「そうだね。風のせいで炭火なのに煙くなくっていいよね」
「暗くてよく見えないけど、すぐ前はもう海岸なんでしょ」
「そうみたい。周りに人家もないし海水浴場でもないからプライベートビーチ状態だって
パパが言ってた」
「さすがに泳ぐにはちょと早すぎるよね」
「どうだろう。少し冷たいかもね」
「海辺に行くって聞いたんでさ。無駄かもと思いながら実は水着持ってきちゃった」
お兄さんがあたしの水着姿を見たらどう思うだろう。一瞬あたしは胸が締め付けられる
ような感情に責められたけど、次に心に浮かんだのはお兄さんが自分の妹の水着姿を見た
としたらあの人はどういう想いを抱くだろうかという悩みだった。
全くお兄さんはどんだけ自分の妹が好きなのよ。そう思ったあたしは、実はその言葉が
以前の自分に直接刺さって来ることに気がついて少し落ち込んだ。
「え? マジで」
「まず使わないだろうと思ったんだけどさ」
「・・・・・・実はあたしも」
妹ちゃんが恥かしそうに言った。誰に見せるつもりなのかわからないけど。
余計な話をしている間に鉄板の上の肉や野菜が焦げ始めていた。
「ほら。お肉が焦げちゃうからさっさとお皿持ってきて」
「ほら行け。彼氏君」
お兄さんがお兄ちゃんに言った。この調子だとお兄さんはお兄ちゃんに心を許しはじめ
ているみたいだった。
「はい。行って来ます」
対抗したわけじゃないけどあたしもお兄さんに声をかけた。声をかける大義名分もあっ
たから、あたしは自然に声をかけることができた。
「お兄さんも来て下さい。このままじゃ肉が焦げてしまいます」
「ちょっと一度に載せすぎじゃねえの」
「何よ。その方が景気がいいじゃん。彼氏君、お皿出して」
妹ちゃんが母死に割り込んだ。お兄ちゃんに構っていればいいのに。
「ちょっとトレイに行くね。妹友ちゃんあとお願い」
妹ちゃんがそう言った。
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