過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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851:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/19(火) 23:09:17.64 ID:8/j3DU9wo

「見られてたのか」

「はい。お兄ちゃんが見てなくて本当によかった」

「・・・・・・言い訳していい?」

「そんな必要はないですけど、話してくれるなら聞きます」

「妹はおまえの兄貴のこと好きだと思うよ」

「はい」

「あいつが変になったのって俺があいつに告るなんて常識のないことをしたせいだと思う
んだ」

「・・・・・・」

「あいつは常識的な行動をしたよ。俺の告白を断るという」

「はい」

「だけど俺は、そのことに拗ねた俺は突然引越して家から消えたんだよな。それがどんな
にあいつを寂しがらせ傷つけるかなんてちっとも考えずに」

「新学期になってから妹ちゃんは学校でも全然元気がありませんでした。元気付けようと
しても慰めようとしても、大丈夫だからと言うばかりで」

「そうか。うちの両親は都心に小さなアパートを借りててな。平日の夜はそこに泊まるこ
とが多いんだよ。仕事で忙しいからさ」

「じゃあ、お兄さんが家を出た後の妹ちゃんは」

「いつも一人で家にいたんだろうな」

「あの寂しがり屋で家族大好きな妹ちゃんがいつも夜一人で・・・・・・」

「ああ。確かそれからだよ。おまえに言われて妹にメールして仲直りしてさ。これからは
普通の兄貴として接するからって言ったんだけど」

「だけど何ですか?」

「いやさ。妹らしくないんだけど、俺と一緒に寝ようとしたり手をつなぎたがったりとか
さ。そういう行動が始まったんだよな。これまではそんことは素振りさえなかったのに」

「お兄さんに対してデレだしたんですね」

「うん、まあ。でもさ、それって兄貴としての俺を失いたくなくて無意識にやってるんじ
ゃねえかと思うんだ」

「昔から仲の良かったお兄さんを一月以上も失った。その原因は自分がお兄さんからの求
愛を断ったせいだって、妹ちゃんはそう考えたんですね」

「まさにそれだと思う。男としての俺を欲しているわけじゃない。でも女として俺に接し
ていないといい兄貴としての俺が自分から放れていっちゃうと思ったんじゃねえかな」

「妹ちゃんかわいそう」

「そうだな。こんなことになるなら、こんなに妹を傷つけるくらいなら告白なんてしなき
ゃよかった」

 妹ちゃんがお兄さんに執着する理由は本当に仲のいい家族を失いたくないだけなのだろ
うか。それともお兄さんのことを男性として愛してしまったからなのだろうか。このとき
のあたしにはどちらが正解なのかはよくわからなかった。

「だからさ。おまえが罪悪感を感じることはないんだ。全部俺のせいなんだから」

「それが正しいとしてもですけど」

「何だよ」

「いい兄貴をつなぎ止めるためだけのために、普通キスまでしますかね」

「あいつは家族が大好きだからな。それくらいしても不思議じゃない」

「そうかなあ」

「何か間違っていると言うのか」

「あたし、前にお兄さんに言ったじゃないですか」


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