896:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 22:30:53.92 ID:C4ok9ZQlo
<自棄>
あたしが起きてキッチンに行くと妹ちゃんがちょうど朝食の支度を始めたところだった。
「おはよう」
妹ちゃんがあたしに気づいて言った。
「おはよ。遅れてごめん」
「ううん。あたしも今起きたところだから。朝ごはんの支度、手伝ってもらっていい?」
「もちろん。そのつもりで来たんだよ」
「妹友ちゃん、料理上手だもんね。昨日の穴子丼、お兄ちゃんなんか夢中になって食べて
たし」
「・・・・・・そんなことはないけど」
お兄さんに恋焦がれているはずの妹ちゃんにしては余裕の態度だった。昨晩、お兄さん
と妹ちゃんに何かあったのだろうか。一瞬嫌な想像が頭をよぎった。
いや。それはいくら何でも考えすぎだろう。妹ちゃんとあたしは仲直りしたから妹ちゃ
んはあたしにフレンドリーなだけだ。
「それでさ。今日の予定なんだけど」
「あ、うん」
「ほら。あたしたちって無駄だと思いながら持ってきたじゃん」
「・・・・・・水着のこと?」
「そう。昨日スマホでこの辺りの観光施設を見てたらさ。ドームの温水プールがあるの
よ」
「本当?」
「うん。ほら見て」
あたしたちは朝食の用意を放置して温水プールの情報を集めた。そうしていると何とな
く嫌な想像も消え去って行ってしまうようだった。
あたしと妹ちゃんは朝食の席で予定変更を宣言した。植物園に行くと思い込んでいて、
突然予定が変更になったことで最初は渋っていたお兄さんとお兄ちゃんも最後にはしぶし
ぶ温水プールに行くことに同意した。
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