898:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 22:32:16.99 ID:C4ok9ZQlo
それでも妹ちゃんのはしゃぐ様子を見ていると、あの会話が夢でなかったとしたらお兄
さんは妹ちゃんにとって望ましい返事をしたとしか思えない。仮にお兄さんが妹ちゃんを
拒絶していたら妹ちゃんのテンションがこんなに高いわけがないのだ。
そう考えるとあたしは再び暗い気持ちになったけど、それでもまだ決まったわけではな
い。そもそもあれは夢かもしれない。とりあえずあたしは精一杯お兄さんにアピールする
ことにした。それが無駄かもしれないことを必死で考えないようにして。
「お兄さん、あっちにウォータースライダーがありますよ」
「そうだね」
「一人じゃ恐いので付き合ってください」
「ええと。妹も行く?」
お兄さんが妹ちゃんを誘った言葉を聞いてあたしはまた暗い考えに押しつぶされそうに
なった。
「あたしはいいや。流れるプールでぷかぷか浮いてるから」
「そう?」
ここでほっとするべき何だろうけど、逆に仲が固まった彼女の余裕のようなものを感じ
たあたしはほっとするどころではなかった。あたしはもう自棄になっていたのかもしれな
い。自虐的にお兄さんをからかう言葉まで口をついた。
「お兄さん。ちょっと妹ちゃんをガン見し過ぎです」
「ち、違うって」
「お兄ちゃんは昔からエッチだからね。妹友ちゃんも気をつけてね」
「え?」
え? じゃない。妹ちゃんをガン見し過ぎと言われたお兄さんは今明らかに動揺してい
たのではないか。
「ちょっと、あまりじろじろ見ないでください」
「見てねえよ」
妹ちゃんの水着姿を見たと言われたときと違いそれは冷静な口調に聞こえた。
「早く行っておいで。戻ったらお昼にしよ」
妹ちゃんがすまし顔で言った。
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