過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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930:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/10(火) 23:55:38.33 ID:G+tSV9VVo

「何かどきどきしてきた」

 女友さんがそう言って落ち着かない様子でスタバの店内を見回した。

「今になって何言ってるんですか」

「だってさ。まさかもう来てたりしないよね」

「いませんよ。あたしは妹ちゃんのお母さんの顔を知ってますから」

「何と言って兄のお母さんを呼び出したんだっけ」

「それ、もう何回も説明したじゃないですか」

「今は頭の中が真っ白なんだよ。全然思い出せないから予習的な意味で教えて」

「お兄さんの大学での生活態度についてお話したいことがありますって。妹ちゃんのお母
さんの会社に電話してそう話しました」

「そうだったっけ。でも、それってどういう意味なの」

「簡単に言えばモデルとかしているような尻軽な女の子に騙されて相当貢がされてるみた
いです。放って置けないのでご相談したいんですけどって言いました」

「なるほど。それなら母親は食いついてくるよね。って、モデル? 尻軽?」

「はい」

「まさかあたしのことじゃないでしょうね。つうかあたしがいつ兄に貢がせた?」

「そんなことはどうでもいいんですよ。普通に相談があるって言っただけでは警戒される
でしょうし、かといって最初からお兄さんと妹ちゃんのことで相談があるなんて言ったら、
話しを見透かされて事前に二人を問い詰めちゃうかもしれませんし。とにかく今日来てく
れればそれでいいんですから」

「それはそうだけど。妹友ちゃんあたしのことをそういう目で見ての?」

「さあ? でもいいじゃないですか。お母さんが来たら本当のことを話すだけなんだか
ら」

「何か納得できない。でも今は妹友ちゃんを問い詰めている心の余裕はないわ。やばい。
何だかどきどきして来た」

「意外とメンタル弱いんですね。自分で言い出したことなのに」

「妹友ちゃんは最初は反対してたけど、その気になったら容赦ないのね。迷いが全くない
っていうか」

「決めるまでは迷いますよ。でも、決めてまで迷うのは愚者の逡巡にすぎません」

「あなた本当に高校二年?」

「そうですけど・・・・・・あ、お母さんが店に入ってきました」

「うう。お腹痛い」

「もう覚悟を決めてください。あ、こっちです。お呼び立てしてすいません」

「妹友ちゃん。久し振りね」

 妹ちゃんのお母さんはスーツ姿でとても若く見えた。この人も妹ちゃんのパパとうちの
ママの犠牲者なのだと思うと気が重くなった。そのうえ、更にショックなことを言わなけ
ればいけないのだし。でも、決めた以上もう迷っているわけにはいかない。


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