938:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/14(土) 22:13:05.50 ID:z+bJyO34o
「あ、いえ。それは違うんです」
ようやく気を取り直したあたしは本題に入った。それにしてもこの人は自分の子どもた
ちを大事にしているようには見えない。妹ちゃんの大好きだった家庭って何だったんだろ
う。何だか少し薄ら寒い思いが一瞬あたしの脳裏をよぎった。
「違うの? 電話では妹友ちゃんからそう聞いたんだけど」
「ごめんなさい。電話では本当のことを話すなんてとてもできなくて」
「・・・・・・どういうこと?」
ここまで作戦立案者である女友さんは黙って様子を伺っているだけだった。何であたし
が正面に立たされるのよ。あたしはそう思ったけどもう後戻りはできない。
「お兄さんのことなんですけど」
「それはわかってるけど。いったいあのバカに何があったの?」
もう後戻りはできない。あたしは大きく息を呑んだ。
「妹ちゃんのことでもあるんですけど」
「妹? バカ息子のことじゃないの」
「いえ。そうなんですけど。」
「どういうこと」
あたしは言うべき言葉を口に出す前に一度胸の中で復唱した。
「本当はそうじゃないんです。お兄さんと妹ちゃんのことをお話したくて」
「兄と妹のこと?」
一瞬で叔母さんの表情が険しくなった。
「はい。嘘を言ってごめんなさい。でも聞いてください」
「聞くよ。だから早く教えて」
「お兄さんと妹ちゃんは恋人同士として付き合い出したみたいです」
「・・・・・・それで」
天晴れと言うべきか、おばさんはショックに耐えて表情を変えなかった。でも、実は相
当に衝撃を受けたはずだ。あたしは次の言葉を口にした。
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