過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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962:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/24(火) 00:00:43.79 ID:Egf394k3o

「君のママに託された伝言を伝えるよ」

 あたしは何も言えなかった。もう遅いのだ。お兄さんと妹ちゃんはついに一線を越えて
しまったのだ。

「私は妻と離婚するし、君のママも君のパパと離婚する。民法で定めがあるのですぐにで
はないけど、半年後には私は君のママと再婚することになる」

「それで、できれば君と君のお兄さんには私と君のママと一緒に暮らして欲しい。私は妹
も引き取るつもりだから」

「ずいぶん都合よく考えているんですね。妹ちゃんのママだって妹ちゃんを手放すとは思
えませんけど」

 池山さんの次の言葉はあたしを驚かせた。ここまで厚顔無恥なことを言える人がこの世
の中にいるなんて。

「だから君には一緒に暮らしてもらいたいんだ。姫だって親友の君と暮らすことを喜ぶだ
ろうし。そうしてもらえれば姫の親権を取るのに有利になる」

「そんなわけないでしょ。両親の離婚で親友と姉妹になるなんて、妹ちゃんが喜ぶわけな
いないよ。それにお兄さんはどうなるんですか」

 池山さんはにっこりと笑った。

「兄の親権は私でも妻でもどっちでもいいよ。妻との間に兄の親権については争いはない
んだ。どうせあと数年したら成人するんだしね」

 やはりこの夫婦は妹ちゃんだけを優先している。お兄さんのことはどうでもいいのだ。

「でもね。さっきも言ったけど私は兄のことを心配している。自分の息子だもんね」

 池山さんが突然あたしの手を握った。

「頼むよ」

「え」

「君が兄と付き合ってくれたら私も安心だ。君のママもそれがいいと言ってくれているし。
君は兄のことは嫌いか」

「・・・・・・あたしは」

 突然の甘い誘惑にあたしは戸惑った。池山さんとママの公認でお兄さんと付き合える道
が、半ばお兄さんのことは諦めていたあたしに訪れたのだ。

「私と君のママと一緒に暮らして欲しい。それで兄と付き合って兄と姫をを救ってやって
くれないか」

 池山さんのその表情はどうやら冗談ではなさそうだった。


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