過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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971:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/29(日) 23:30:40.48 ID:n+EZ0SdMo

「私と君のママと一緒に暮らす件に関してはよく考えて欲しいな」

「そうですね。よく考えます。パパと一緒に暮らすのかあなたたちと一緒に暮らすのか」

 心が揺らいだせいか今でより穏かな口調になってしまた。こんな人相手に。

「君が私たちと一緒に暮らしてくれて、そして兄と仲良くなってくれると嬉しいと、私は
本当にそう願っているんだよ」

「・・・・・・あたしが誰と暮らすことになるのかはまだわかりませんけど、それとお兄さんと
のことは全然別な話でしょ」

 池山さんはにっこりと笑った。あたしは自分の願望を読み取られているようで狼狽した。

「明日の夜は君のママと一緒に君を予備校に迎えに行くように頼まれているんだけど、い
いいかな」

 彼はそう言った。

「お迎えなんていりません」

「まあ、そうかもしれないけど。私も君のママに頼まれたんでね」

「今までだって一人で帰ってたんだから。何でママがそんなことを言うのかわかんない」

 池山さんとあたしを親しくさせるためとしか思えない。

「いろいろ君のママと話し合っているんだ」

 埒が明かないと思ったのか池山さんが話を変えた。

「いろいろって?」

「もう一つ別な考え方がある」

「何ですか」

「妹姫が私のことを嫌悪して君と君のママと一緒に暮らすことを拒否することもありえ
る」

 ありえるって。それ以外は考えられないじゃない。

「その場合だけど。妹姫を私の妻に渡すことだけは避けたい」

 この人は本当は妹ちゃんのことが好きなのではないんじゃないいいいいだろうか。あた
しは直感でそう感じた。子どもがお気に入りのおもちゃを取り合っているのと同じだ。こ
の人は自分の奥さんにお気に入りの妹ちゃんの親権を渡したくないだけではないのか

「その場合、姫には引き続き寮生活を続けさせる。もちろん、親権は私だけど」

 池山さんはにっこりと笑ってあたしを見た。

「これは君のママの提案なんだけどね。その場合、君と君のお兄さん、そして兄も一緒に
暮らしてもいいかなって思ってるんだ」

「お兄さん? お兄さんには一人暮らしさせるんじゃ」

「姫とは一緒に暮らさせないというだけだよ。姫が寮にいるなら私たちと兄が一緒に暮ら
しても問題はない。その方が君だって嬉しいでしょ」


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