過去ログ - 妹と俺との些細な出来事
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976:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/29(日) 23:34:28.59 ID:n+EZ0SdMo

<疑惑>




「信じてもらえないかもしれないけど、私には兄だって大切な息子だ」

「じゃあ何で」

 二人を引きはがしたのか。

「必ずしも姫のためにだけじゃない。兄のためでもあるんだ」

 嘘を言っている表情でも声音でもないとあたしは思った。

「君も考えているとおり、兄と姫の恋愛なんて将来なんか何もないんだ。姫にとってもそ
うだけれども、それは兄にとっても同じなんだよ。兄は中途半端にだけど頭はいい方だ。
親としてはこのまま順調に自分の人生を進んで行って欲しいという気持には嘘はないん
だ」

「・・・・・・妹ちゃんたちはそれを承知でお互いを選んだんだと思いますけど」

「それを止めるのが親の権利でもあり義務でもあると私は思うよ。妻も同じ考えだろう」

「二人は納得しないと思うな」

「兄に彼女ができれば姫だって納得するんじゃないかな」

「・・・・・・」

「妹友ちゃんみたいな子が兄の彼女になってくれれば自然に問題は解決すると思うよ」

「その話はともかく、妹ちゃんを一人で寮生活をさせている時点でお兄さんがあたしたち
と一緒に暮らそうと思ってくれるわけないじゃないですか」

 池山さんは前方の暗い道を見つめながら笑った。

「あたしたちって言ってくれたね。ありがとう」

「今のはそういう意味じゃなく」

「あとは君のお兄さんが一緒に暮らしてくれればそれでいい。兄のことなら任しておいて
くれ。最悪は仕送りを止めるとか脅してでも説得するから」

「・・・・・・・お兄ちゃんはあなたのことを恨んでいますよ」

「わかってる。それは妹友ちゃんだって同じでしょ。それでもここまで心を開いてくれた
んだし」

「それに」

 池山さんが自信ありげに続けた。

「君のママに言われたんだ。あの子はあたしが大好きだから、どっちかを選べって言われ
れば必ずあたしの方を選ぶってね」

 確かにお兄ちゃんはマザコンだ。何せ初恋の相手はママだというくらいの。でもそれは
家庭的なママのことで、不倫して他の男のものになろうとしているママをお兄ちゃんが選
ぶだろうか。


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