11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:07:20.93 ID:jqkpcgGC0
凛「ねぇプロデューサー、今日のスタジオここから近いでしょ?」
あれから数日後。
今日は次の収録についての軽い打ち合わせ等があり、一応スタジオまで出向くことになっている。
私が新人の頃からお世話になっている所で、事務所からは歩いて15分ほどで着く距離だ。
P「ん?まぁ確かにいつものあそこだしなー。どうしたんだ?」
パソコンに向かい合っているプロデューサーの手は、休むことなくキーボードを打ち続けている。
凛「どうせだったら歩いて行きたいんだけど。車で行くのももったいないし」
私の言葉を聞いて、はたとプロデューサーの手が止まる。腕を組み、何事か考え事を始めたようだ。
P「う〜ん…あまり賛同しかねるなぁ。短い距離でも人気アイドルの凛を見れば声をかける人もいるかもしれないし、第一こんな日差しの強い日だと、ちょっとした時間でも日焼けとかがなぁ…」
プロデューサーは、こういったちょっとしたことでも私の事を気にかけてくれる。
勿論、それは“アイドルとしての私”なのかもしれないけれど、それでも私には、そのちょっとしたことが嬉しかった。
しかし、それでは駄目なのだ。今日の私には、どうしても譲れないものがあった。
凛「大丈夫だよ。最低限顔はばれないようにするし、日傘だって差していくから」
プロデューサーは暫し腕を組んだままで頭を捻っていたが、やがて私が折れないと悟ったのか、困った様な微笑を浮かべて振り返った。
P「まぁ、凛がそこまで言うなら仕方ないか。但しちゃんと日焼け対策と最低限の変装はするんだぞー」
やった。
心の中で私は、らしくもないガッツポーズをしていた。
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