12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:09:54.18 ID:jqkpcgGC0
今日はいつにも増して気温が高く、この夏の最高気温を更新しているとTVで言っていた。
しかし、そんな中で私の足元は、分厚いブーツに包まれている。
こんな暑い日に何故わざわざこんなものを履いているのかというと、それは勿論、プロデューサーの靴下の匂いを包み隠す為だ。
この暑さの中でサンダル等ではなく、季節外れの厚いブーツを履くなど、傍から見れば正気の沙汰ではない。
プロデューサーにもそれは止めとけと言われたが、どうしてもこれは外せない。
私には、成し遂げなければならないことがあるのだ。
幸いにもプロデューサーは、1日前に無くなった靴下のことをさほど気にしている様子も無い。
これならば今日の目論見も上手く行くはず。
スタジオでの打ち合わせは20分程で終わり、スタッフさん達とはその場で解散となった。
これほど早く終わってしまうのであれば、収録の直前でも問題はなかっただろうに、と、普段の私なら思っていただろう。
けれども、今日ばかりは早く終わってくれた、ということに感謝するのみだった。
打ち合わせの最中、私はとてもじっとしてはいられなかった。
何せ、プロデューサーの靴下に私の足が包まれているのだ。
そのことを考えただけでも私は昏倒しそうになり、幾度と無く漏れ出そうになる嬌声を抑えるのに必死だった。
話を聞いている間も、周囲の人達からはどこかソワソワした様子に映っていたようで、プロデューサーにも心配されてしまった。
椅子に座ったままかぶりを振る。
駄目だ、私。
これしきのことでへこたれてはいられない。
ふっ、と、私の前に影が出来た。
見上げると、心配そうに覗き込むプロデューサーの顔が見えた。
P「凛、大丈夫か?今日のお前、何だかいつもと様子が違うように見えたが…」
プロデューサーは、いつでも優しい。
それは私だけにではなく、事務所のアイドル皆にも、だけれど。
それなのに。
そうだとわかっているのに。
私はその優しさが、たまらなく嬉しいのだ。
凛「…ううん、大丈夫だよプロデューサー。今日はちょっと暑いから、少し当てられただけだって」
いつもの調子でプロデューサーを見やり、立ち上がる。
凛「さ、プロデューサー。やることもやったし、早く帰ろうよ。仕事、まだ残ってるんでしょ?」
…そうだ。
P「…やれやれ、凛には敵わないな。おっし、戻るとするか!」
プロデューサーの為にも、私はこの“シゴト”を成し遂げる。
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