14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 05:14:11.03 ID:jqkpcgGC0
  
 凛「ふうぅぅ、ぅ…」 
  
 ――事務所。誰もいない、会議室。 
  
 その中で私は、一心不乱に靴下の匂いを嗅ぎ続けていた。 
  
 プロデューサーには家に帰る旨を告げ、他の面子は出払っている。 
 ちひろさんも、仕事中にここを訪れる事など滅多に無い。 
  
 つまり、今この場所は、私だけの空間なのだ。 
  
 事務所への岐路、プロデューサーと繋いだ手は、途中から暑さの所為だけではない汗がじっとりと滲んで来ていた。 
 プロデューサーも暑さの所為で手に汗が浮かんでいたため、十中八九ばれてはいないだろう。 
  
 プロデューサーの靴下を履き、プロデューサーと手を繋ぐ。 
 その行為が私にもたらしたもの。 
  
 それは一言で言えば――快感。 
 プロデューサーと1つになっている、というその感覚が、私をどうしようもなく高翌揚させたのだ。 
  
 凛「はぁぁ、ぁぁ…」 
  
 今でも、この手に足に、焼き付いて離れない。 
 そして今、その感触を思い起こしながら、私は恍惚の表情を浮かべていた。 
  
 プロデューサーが1日まるっと履き倒した靴下。 
 そこには、プロデューサーの汗が、垢が、ありとあらゆるものが詰まっている。 
  
 そして今日、私が履き続けた事によって、私の汗が、垢が、ありとあらゆるものが、プロデューサーのそれと交じり合った。 
  
 靴下だった“ソレ”は、新たなる次元へと進化を遂げていた。 
  
 自分のものと言えど、足の臭いなどを好む人間はそうはいないだろう。 
 けれども今のこの靴下には、私だけでなく、あのプロデューサーの匂いが既に染み付いているのだ。 
  
 私の足の臭いと、プロデューサーの足の匂い。 
 その2つが交じり合って生まれたニオイは、まさにこの世の至宝といっても過言ではない。 
  
 いや、最早この靴下は、私とプロデューサーの子供も同然の存在になっているのだった。 
  
 凛「プロデューサー…!」 
  
 プロデューサー。 
 プロデューサー。 
 プロデューサー。 
  
 私の頭の中は、既にプロデューサーの匂いを嗅ぎ尽くしたい気持ちでいっぱいになっていた。 
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