過去ログ - 凛「クサッ」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/08(木) 04:59:51.10 ID:jqkpcgGC0

聖來「な、何?どうしたの凛ちゃん?」

呆気に取られた表情で私を見つめる聖來さん。
当然だ。彼女は臭いの元凶であるこの靴下を片付けようとしていた。

それを、何故か私が突如阻んだのだ。
訝ってもなんら不思議ではなく、むしろ私の行動のほうが、彼女にとってはおかしなものでしかないだろう。

しかも悪いことに、この行動には私の意志が伴っていなかった。完全に条件反射で動いていたのだ。
咄嗟の言い訳など思い浮かぶはずもなく、言葉が何も出てこない。

凛「あ…こ、これは、その…」

ばつが悪くなって視線を逸らすが、その姿はよりいっそう怪しさを助長するものでしかない。

助け舟は、彼女のほうから出された。

聖來「え、っと…凛ちゃん、悪いけどソレ、片付けておいてくれるかな?私だと扱いに困っちゃいそうだし」

未だ鼻をつまんだまま、聖來さんは空いた手をひらひらと振ってみせた。
確かに、私はこの臭いの中でも鼻をつまむことなく呼吸をしているし、靴下も摘み上げずにしっかりと握り締めている。
彼女は、臭いを防ぐ為に両手を満足に使えない自分よりも、この空間で平気そうな私のほうが片付けるのに向いていると判断したのだろう。

…おそらくはそればかりでなく、私の慌てた様子を見て思い立ったのだと思う。
年下に損な役回りを渡す、というのは違った状況であれば些か納得行かないところではあるが…今回ばかりは聖來さんに感謝あるのみだった。

凛「…わかりました。とりあえずプロデューサーのロッカーにでも入れておきます」

聖來「ありがとー!これはpさんが帰ったらちゃんと言っておかないといけないね」

手を振る聖來さんを後に、私はロッカールームに向かった。
靴下を握るその手には、自然と力が込められていた。


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