過去ログ - インデックス「この向日葵を、あなたに」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/08(木) 12:37:03.34 ID:q8CRr7Mk0
 血を吐くような告白。インデックスがどれだけ記憶で辛い思いをして来たのか、それにも関わらず。
 どれだけの想いがあれば否定出来るのか。いや否定しているのは自分だけではない。
 少女を守ろうと悪役を買って出た少年。姉代わりに接する少女。多くの同僚達、同胞達、必要悪の教会や魔術を知らぬ兵士達。

 教会を敵に回し、ロシアを敵に回し、世界の敵となった相手を打倒するため、多くの人間の命が費やされた。
 禁書目録という少女を助けるため、幻想殺しという少年を護るため。

 その多くは決して表には出ず、誰からも顧みられる事無く、歴史はおろか記憶に残る訳もなく潰える。
 膨大な労力を僅かにかいま見た立場の上条は、彼女の暴言を諫める――べきであった。

上条「インデックス……それは」

 だが、真っ正面から少女の瞳に覗き込まれ、身じろぎも出来ず、声も出せない。
 それもまた当然の話だ。禁書目録は世界がどうなってもいいと考えるように、幻想殺しも同じだからだ。

 ……正確ではない。優先順位の問題だろうか。
 二人にとっても世界は大切で、人は大事だ。それは絶対に。

 けれど、だが、しかし、そうであったとしても。

 ただ、ただ『目の前の相手が最優先』なだけ。
 それだけの、話だ。

上条「……なぁ聞いてくれインデックス?俺は、俺はな」

インデックス「……」

 上条当麻は考える。それは世界の事ではない。ましてやインデックスの発言が不謹慎だと怒るものでもない。
 このまま抱きしめてしまえば、どれだけ楽だろうか。震えるこの子を、また泣かせてしまったのだと、胸が軋む。

 ……だが、それをしてどうなる?どう変わる?
 受け入れたとしても、学園と魔術、両天秤を綱渡りする現実は変わらない。
 片方を選べば、必ずどちらかを捨てる日が来る。選ぶとはそういう事だ。


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