過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/24(土) 22:46:34.37 ID:WzI0y4MJ0
赤木明子(女子2番)は、学校の廊下を先先進んでいく水城蓮(男子16番)を追いかけている。
明子は蓮のことを『蓮くん』と呼んでいるが、決して親しいわけではない。
何しろ『みずきくん』と呼ぶと、実月裕太(男子18番)と一緒になってしまう。
これは明子だけでなく、クラスメイト全員がそう呼んでいる。
蓮や裕太を苗字で呼ぶ人はいない。
しかし『蓮くん』と呼ぶのには、蓮は可愛らしいのでお近づきになりたいという下心が、ないわけではない。
関係無いが、可愛いとは言っても、身長は明子の方が低い。
バレー部に所属していたにもかかわらず、明子の身長は151cm。
バレー部だと背が高くなる、と聞いて入ったが高くならなかった。
蓮は男子にしては低いが、それでも160cm。

「ね、ねぇ、蓮くん!
 ちょっと待ってよぉ!」

明子が叫ぶと、蓮は歩くのをやめた。
振り返って明子が来るのを待っていた。

蓮は、とても優しい人だと思う。
双子の姉の水城凛(女子13番)に近寄る男子に対しては別だが。

例えば凛と付き合っているという土方涼太(男子13番)への対応は凄い。
朝、涼太が登校してきたらまず睨む。
授業中、涼太が当てられてたら睨む。
休み時間、涼太の声が大きかったら睨む。
凛と喋れば睨む。
昼休み、お弁当を食べている涼太を睨む。
とにかく1日中睨み続けてる。

何でそんなに明子が知っているのか。
それは、明子がずっと蓮を見ているからだ。

蓮のプロフィールは頭の中に入っている。
誕生日は6月29日で、血液型はB型だとか。
昔から体が弱くて、運動があまりできないとか。
いつも森川達志(男子20番)や陸社(男子6番)と一緒にいるとか。
凛の事が大好きだとか…

明子の口から無意識のうちに溜息が出た。
こんなに見ていても、蓮にとってはただのクラスメイトに過ぎない。

「どうしたの、赤木さん…?」

「あ、ううん、何でもない…
 どうしてこんな事になっちゃったのかな、って思っただけで…」

「…そうだよね、どうして…凛ちゃん……凛ちゃん、誰とペアなんだろう…
 嫌だよ、土方とペアになってるとか…」

明子は何も言わなかった。ただ、本当に凛の事が好きなんだな、と思った。なんとなく悔しい。嫉妬でもしているのかな…?おかしいね、ただの血を分けた姉弟なのに。明子と蓮は学校の外に出ると、正面の茂みに身を隠した。

「蓮くん、誰か待ってるの?」
「凛ちゃんが誰と出てくるか見ないと…」
「…そう」

あたしはまた溜息を吐いて、デイパックを開けた。中は荷物を無理に詰め込んだようでパンパンだ。とりあえず防寒具を外に出し、支給武器を探した。誰かを殺そう、とか考えているわけではない。ただ、護身用に何かあったほうが良いかな、と思っただけだ。

「あ、あった、コレかな……え…?」

明子は開いた口が塞がらなかった。当然だろう。武器だと思われた物が、季節外れの花火セットだったので。

「…何?どうしたの、赤木さん?」

蓮が明子の方を見て、同じくポカンと口を開いた。そして、笑った。その笑顔はとても愛らしく、おそらく男子が見ても惚れてしまうだろう。

「それで遊べって事かな?」
「いや…そんな…」

明子は自分の頬が火照っているのがわかった。あんな可愛い天使のような笑顔を向けられたら誰だってこうなってしまう、きっと。蓮も自分のデイパックを開いて武器を探し始めたようだ。

「あ、あった…」

蓮の武器はシグ・ザウエルP230という名前の銃だった。蓮の視線はそれに釘付けになっている。当然だろう、普通の中学生が手にできるような物ではないのだから。明子もそれをずっと見ていた。こんな物で簡単に人を[ピーーー]事ができる。そう考えるととても怖かった。

「蓮くん…それ…使うの…?」

明子が訊くと、蓮は笑った。明子にはその笑顔の意味がわからなかった。『使うわけないじゃない』っていう笑い?それとも『使うに決まってるでしょ?』という笑い?先程の笑顔とは少し違うようだった。

「ねぇ、赤木さん…」蓮が明子の名前を呼んだ。「赤木さんは…死ぬとどうなるかわかる?」

明子は首を傾げた。もちろんそんな事を知るわけが無いし、どうしてそんな事を突然言うのかわからなかったので。


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