過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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[sage]
2013/08/12(月) 22:04:53.54 ID:EHlwHqUX0
「足怪我してんだろ、無茶するなって。
鞄どこ、持って来るから、水田はここで待ってて」
迅は早稀を店の壁にもたれさせると、ゲーセンの中に放り出したままだった鞄を取りに行った。
思っていた以上に優しいヤツだなぁ、それに何かあんまり身体が柔らかくなくて、見た目より腕ががっちりしてて、それから――うわっ、え、あたし何考えてんだ!
あっつ、顔あっつ!!!
両手を頬に当てて、顔の体温を少しでも下げようとしたのだが、下がりきる前に迅は戻ってきてしまった。
手渡された鞄に財布を入れて肩に掛けようとしたのだが、迅はひょいっと鞄を早稀から取り上げ、自分の肩に掛けた。
何事かと訝しむ早稀に、迅は再び手を差し伸べた。
「ほら、掴まれ。 家まで送る」
早稀は目を見開いた。
「え、いや、え、何で!?
てか良いって、あたし家あるの月が丘だから遠いし!!」
「何でって…足怪我してんのに、その遠い家までどうやって一人で帰るんだよ。
俺の腕、杖代わりに使ってくれていいから…ほら掴まれ、早く帰るぞ」
有無を言わせない迅の言葉に甘え、早稀は迅の腕に掴まった。
迅の腕に自分の腕をしっかりと絡ませなければならず、傍から見ればどう見てもカップルにしか見えないような格好になっているのが恥ずかしくて(しかも、かなりラブラブなカップル、だ)、心臓が破裂してしまいそうなほどドキドキした。
帰宅ラッシュで混雑する駅のホームでも電車の中でも、迅は早稀を護るように位置取り、駅から家までも早稀のゆっくりしたペースに合わせて歩いてくれた。
学校最寄駅から家までの1時間、ずっと早稀は迅に掴まっていたので、家の前に着き迅から腕を離す時には名残惜しくなっていた。
「あ、あの、迅…あり、ありが、とう…」
「おー、お大事にな、無茶すんなよ?」
迅はふっと笑みを浮かべると、踵を返し、駅の方角へと戻っていった。
迅の背中が見えなくなるまで、早稀は家の前に立ったまま見送った。
背中が見えなくなると、ひょこひょこと歩きながら家のドアを開けようと手を掛け――ふと、思い出した。
そういえば、迅の家って…うちとは反対側で、しかも毎日1時間半かけて通学してるって言ってたのを聞いたことがあったような…
…ってことは、今から2時間半もかけて家まで帰るの…?
…それなのに、あたしを送ってくれたの…?
部活帰りで、疲れてたはずなのに…
たまらなくなり、早稀は家に入ると、弟と妹の「お姉ちゃんおかえりー」という声に反応もせず、一目散に自室へと向かい、ベッドへと倒れこんだ。
迅が1時間半の間ずっと持ってくれていた鞄を、ぎゅっと抱き締めた。
ほんの少し、迅の匂いが残っているような気がした。
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