過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/12(月) 22:11:44.49 ID:EHlwHqUX0
その家のリビング。
その隅っこで、坂本陽子(女子7番)はガタガタと震えていた。
茶色に染めた髪も、部活で浅黒く焼けた肌も、少しヨレッとした夏服のブラウスも、赤黒く汚れていた。
親友の血の色だ。

親友の今岡梢(女子1番)を、この手で殺してしまった。
今思えば、梢には殺意は無かったのかもしれない(かも、ではなく殺意など欠片も無かった)。

凶器になってしまったナタは、デイパックに突っ込んで少し離れた所に捨て置いてある。
触るのも怖い。
また、恐怖で誰かを手に掛けてしまいそうで。

けど…だけど…
あたし、見たんだ…
新島君が…中原さんを…

何度も蘇るあの光景。
再会する事ができて安心しきっていた中原朝子(女子13番)に、毒薬を飲ませて殺害した新島恒彰(男子15番)の姿。
いくら不良と呼ばれているからと言っても、自分の彼女をあんなに簡単に殺害できるとは思わなかった。
朝子も信じられなかっただろう。

「…ダメ…やっぱり…信じちゃダメなんだ…っ
 うぅ…ああぁぁ…っ」

陽子は頭を抱えた。
悲鳴になりきらない呻き声が静かな空間に響くように聞こえた。

元々陽子は精神的に強くない。
所属するテニス部の練習でも、上手くできなかったら狂ったように叫び声を上げたりする。
それでもまだマシな方で、更に状況が悪化すると、部の備品を壊そうとする。
正気に戻った時に、いつも後悔した。
どうしてこんなにおかしくなってしまうのだろうか、と。

『大丈夫、落ち着いたらできますよ?』

同じ部活に所属する遠江敬子(女子12番)にも何度も諭された。
しかし、落ち着く事ができれば苦労はしていない。

もう半分くらいまで減っちゃったよね…?
プログラムは進行してるんだ…
淳も奈都希も死んだ…

次は、あたし…?

身震いがした。
歯がガチガチと音を立てた。

怖い…もう嫌…
家に帰りたいよぉ…っ

陽子は膝に顔を埋めた。
何かハプニングでも起こってプログラムが中止にならないだろうか?
死にたくない。
最悪、自分の知らない所で、皆が死んでしまったら良い。
そうすれば、自分は帰る事ができる。


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