過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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338: ◆x/rxoIq2T6[saga]
2013/09/19(木) 19:33:22.13 ID:0YHyb5s/0


苗木「……答え、聞かせてくれるかな」

江ノ島「チラつくんだよ。記憶がさ。あたしの知らない、“あたし”の記憶…。その記憶で“あたし”は苗木と恋人みたいになって…なんだろうね、本当に…希望とか、こんな胸糞悪い記憶…本当に要らないのにさ……」

苗木「……」

江ノ島「だけどさ、苗木の姿を見たとたんにさ…腹立つことに、嬉しいとか、感じやがったんだよ…くそったれ……。こんなの、絶対にあたしじゃない…江ノ島盾子は……絶望以外ありえないんだよ…」

苦しそうに、呻くように、江ノ島さんは告げる。
胸のあたりを押さえながら、唇の端を噛み締めて、絞り出すように、言葉を続ける。

江ノ島「大っ嫌いだよ……苗木なんて…あたしをこんなに苦しめて……こんな苦しみは絶望なんかじゃない……もっと甘酸っぱい…あたしの大っ嫌いな……」

ポタリと、床に雫が落ちる。
それがなんなのか、分かってはいたけど。
ボクは彼女から、目を逸らす。
だってそれは、きっと彼女も、絶対に見られたくないだろうから。


江ノ島「……責任、とれよぉ……あたしを、こんな…苦しめておいて……一人だけ楽になろうとか、思ってんじゃねえよ……苗木ぃ…」


苗木「……そう、だね」

江ノ島「……苗木クン、アンタの人生はあたしが全部奪ってやる。全部あたしの…私のものだ。それが苗木誠の背負う責任で……私の復讐だ」

苗木「そうだね…きっと江ノ島さんを変えてしまったのは、ボクの責任だ。君がそう言うのなら、ボクは自分の人生を、君に捧げるよ。ずっと、永遠に…ね」

ボクは、一歩を踏み出す。
江ノ島さんは、驚いたように、一歩下がる。
ああ、きっとボクは…ボクがしてきたことは、間違いじゃないんだ…。
江ノ島さんが改心するかなんて、分からない。もしかしたら彼女の言うとおり、それは出来ないかもしれない。
でも、少なくとも…彼女の気持ちだけは、変えられた。

だから、きっと変えてゆける。
それは、小さくて、気付けないくらいの変化かも知れない。
それでも、きっと──。

苗木「江ノ島さんっ!」

踏み出す。
江ノ島さんを、逃がさない。
臆病に逃げようとする江ノ島さんの腕を取り、強引に自分の傍へと引き込む。

江ノ島「っ…」

そっと彼女の身体を抱き締めて、ボクはもう一度だけ、告白した。

苗木「大好きだ、江ノ島さん……」

江ノ島「……」

返事は無かった。
だけど背中に、何かが当たる感触。
それが回された手だと気付いて、ボクは、それが彼女なりの【返事】だという事を理解した。


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