過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/24(土) 22:01:16.99 ID:WzI0y4MJ0
そんな雅哉がもう家に帰って来ないかもしれないという事実に、あの家族が心の底から悲しむはずなどないのだ、むしろ帰って来なければ良いと思っているだろう。
それならば、とっととこんな人生を終わらせてしまえばいい。
生まれ変わって新しい人生を謳歌する方がよっぽど良い。

これだけうだうだと考えるのなら自殺でもすればいいのだが、ところがどっこい雅哉に支給された物は扇子だった。
扇子自殺、だなんて聞いたことがない。
こんな物ではどうすることもできないので、今ものうのうと生きている。

そしてもう1つ、死に踏み切れない理由があった。
その理由は、眼前にある。

「…芥川くん…?
 どうしたの、ぼーっとしてるけど…あ…体調良くない…?」

向かいで膝を抱えて座っている奈良橋智子(女子十一番)が、泣き腫らした赤い目を雅哉に向け、心配そうに眉をハの字に下げていた。

「…内緒、言ったらトモまた泣くから」

「……良い話…のわけ…ないよね……こんな…プログラム…の中だし…」

智子はじわりと目に浮かんだ涙を指で拭い、小さく笑った。
無理して笑うことないのに。
どうせ雅哉に気遣って笑顔を浮かべたのだろうけれど、かえってこちらが気を遣ってしまうので困る。

智子は3年A組の副委員長だ。
ただしこれは智子が立候補して役職に就いたのではなく、新学期の始めの委員会を決めるホームルームの時に、星崎かれんや湯浅季莉(女子二十番)が「奈良橋さんがいいと思いまーす」という推薦という名の押し付けを行い、智子はそれを断ることができなかったので任命されることになったものだ。
押し付けられてもきっちりと仕事をこなす辺り、智子は根っから真面目なのだと思う――つまり、雅哉とは真逆の人間だ。
共通している点といえば、お互い友人と呼べる存在がいないことくらいだろうか。雅哉は自分で自分の評価を落として周りが寄って来なかったし友人を必要とすることもなかったからなのだが、智子は見る限りでは、人見知りがあまりにも激しくてなかなか人に声を掛けられず、特にA組の女子には気の強い者が多いので、誰とも関係を築くことができなかったのだろう。


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