過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/24(土) 22:22:24.63 ID:WzI0y4MJ0
今はその騒がしさも軽さもなりを潜めており、顔を膝に埋め、時折嗚咽や鼻を啜る音が聞こえる。
軽い男は嫌いだが、うじうじしているのも見ていて腹が立つ。

「内藤くん。
 いつまでもうじうじ泣くのはやめてくれない?
 こっちまで気が滅入るわ」

「は? その言い方はさすがにないんじゃないの?
 内藤は、田中と仲が良かったんだから」

反論してきたのは恒祐ではなくかれんだった。
馬鹿が馬鹿の擁護?――馬鹿らしい。

ライド(担当教官)にプログラムに対する異議を申し立てて射殺された田中顕昌(男子十一番)――余計なことを言えばああなる可能性はこの国でなら十分あり得る話だというのに、その考えに至らなかった憐れで愚かな男。
あまり目立たない地味な印象の顕昌が、派手な恒祐と親しいのは意外だった。

「…ああなることなんて目に見えてたのに。
 それがわからずに行動した人を悼んで泣かれても迷惑なのよ」

「テメェ…ッ!!」

恒祐がばっと顔を上げ、泣き腫らした目で梨杏を睨んだかと思うと、腰を浮かせて手を伸ばし梨杏の胸倉を掴んで後ろの幹に叩きつけた。
梨杏は背中を打ち、「うっ」と呻いた。

「あんなこと言えばああなることくらい、アッキーは絶対わかってたんだよ!!
 それでも言っちまうくらいに、アッキーは優しいんだよッ!!
 それを…テメェは馬鹿にしたな…アッキーを馬鹿にしたな…如月…ッ!!」

「煩いわね、誰かに見つかったらどうするのよ」

梨杏は右横に置いていた自身に支給されたデイパックの中に入っていた銀色に光る銃身と黒いグリップが特徴のリボルバー式拳銃、S&W M686を掴むと、その銃口を恒祐の額に向けた。
恒祐の元々ぎょろっとしている瞳が一層見開かれる。

「こ…の…ッ!!!」

恒祐も梨杏のM686と同じ位の大きさだが形が大きく違う黒光りする自動拳銃、ジェリコ941Lをベルトから抜き、梨杏に向けてきた。
梨杏自身人に銃口を突き付けているというのに、恒祐の行動に息を呑んだ。

「貴方…馬鹿じゃないの…?」

「ああ、馬鹿だよ、テメェに比べりゃ馬鹿だよそれがどうしたよッ!!
 ダチ1人できない冷徹女に比べたら、大馬鹿の方がマシだねッ!!」

“ダチ1人できない冷徹女”――確かに梨杏には友人と呼べる人はいない。
くだらない馬鹿な人間たちとつるむくらいなら読書をしている方が何倍も有益なので、休み時間はいつも自分の席で読書に勤しんでいた。


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