過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「…最終章!」
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2013/08/24(土) 22:37:33.57 ID:WzI0y4MJ0
創立50年を超えた春日宮中学校では、部活動が盛んである。
特に運動部は、全国大会まで出場する者も出るほどの、ごく普通の公立中学とは思えない成績を残してきている。
春日宮中学校で最も有名なのは、男子テニス部だろう。
特に、あるダブルスペアは、朝練が7時半から始まるにもかかわらず、たくさんの見学者がテニスコートの周りに戯れている。
女子が大部分を占める見学者の注目の的にいる少年――北王子馨(男子5番)は、ラケットのガットをギシギシと指で弄びながら、ぼーっと遠くにある水道を眺めていた。
大東亜人の父と、大東亜に旅行に来た時に出会ったというフランス人の母を持つ馨は、母の血を強く受け継いでおり、色白の肌に栗色の髪と青い瞳を持つ為に、嫌でも皆の目を引いてしまう。
ぱこん
馨の後頭部に、衝撃が来た。
見ると、テニスボールが当たったようだった。
「馨、ボーッとしてんな、練習するぞ!」
「…あぁ、ごめん、タキ、やるよやるよ」
馨は後ろでラケットを手で器用に回している滝井良悟(男子10番)に謝り、コートに入った。
良悟は両耳に計6つのピアスにチョーカー、明るい茶髪という派手な外見をしている為、馨とは別の意味で目立っている。
もっとも、部活が終わればリングが両手に3つはまるので、今はまだマシな方だが。
馨と良悟は、全国でも名の知れたダブルスペアである。
1年生の時にペアを組み始め、2年生で全国大会まで行ったが2回戦敗退、今は優勝目指して練習に励んでいる。
「で、何ボーッとしてたんだよ。
ま、馨がぼけてるのはいつもの事か」
「失礼だなぁ、タキはいつも。
いやね、今日北山さん見てないなぁ、と思って」
北山さんとは、男子テニス部のマネージャーである。
現在2年生の、まだあどけなさの残る可愛らしい女の子だ。
「北山は調子悪いんだと。
今日は柏原が代わりに手伝ってくれてるみたいだぜ」
「柏原…?
何で、女テニは今日休みでしょ?」
「間違って来たんだと、アイツ抜けてるトコあるからな」
馨は倉庫からボールの入った籠を出して派手に転んだ柏原茉沙美(女子8番)を見つけた。
ボーイッシュなショートヘアーを砂埃で汚した茉沙美は、恥ずかしそうにいそいそとボールを片付けている。
顔を真っ赤にし、小さな瞳は今にも泣き出しそうになっている。
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