過去ログ - 天井「どうしてここまで来たのだろうな」
1- 20
192: ◆n7YWDDtkCQ[sage saga]
2014/07/06(日) 23:52:12.61 ID:br/m7kgV0

・精進できなかった結果がこの時間だよ!

・そろそろ開始から2年になるという恐怖
 頻度落ち過ぎて鼻血出そうなのでしばらくはsage進行でいきます
 安価スレにあるまじき失態で申し訳ありません……!


ポイント測定を一旦切り上げて、十時。
場所は第三学区、との境界にほど近い第二十学区のデータセンターである。

学園都市についての情報は公的に収集、管理されているものだが、用途や内容ごとに個別にデータを扱う私的機関も存在する。
天井が訪れたのも、まさにその一つだった。
とはいえ大理石をメインに品良く整えられたレセプションは高級ホテルと見紛うほどである。

機材を設置し終え軽くなったキャスター付のケースと肩掛けの鞄を降ろす。
体育系の学校が集まる立地から偶然見つけたシャワールームで汗を流し、
あらかじめ持参した学会用のスーツを纏いつつも、場違い感に別の汗が流れそうになった。

受付「いらっしゃいませ」

天井「すみません、昨日ご連絡した天井と申します。会員登録とデータの閲覧をお願いしたいのですが……」

受付「かしこまりました。身分証明書のご提示と、情報の入力をお願いいたします」

受付の女性がカウンターの溝に指を滑らせると、ごく薄いはめ込み型の端末が現れた。
ノートPCのように閉じた状態で土台と一体化しているらしい。
天井は財布から長点の所属証を手渡しつつ、画面に表示された必須項目を確認した。

第三学区外にありながら、この施設では第三学区の様々なデータを収集している。
その種類は毎日の天気に始まり、道路状況、各会議場で行われる催しの予定、あらゆるジャンルの飲食店、
果ては今回の目的である地震などの災害や、犯罪の分布にまで及ぶ。
第三学区の役割は外交――またそのために配置された展示施設や高級ホテルは、都市内でも高級志向の集まりに好まれる。
そしてこのデータセンターは、第三学区の施設を利用し客を遇する側のためのものであった。

受付「――ありがとうございます。只今情報を照会いたします。引き続き入力の上、お待ちください」

応答して、キーボードを叩く。
書庫と対照するのであればある程度の情報は分かり切っているものだろうが、手動でも所属や肩書などを打ち込む必要があるようだった。
ターゲット層や建物の作りが示唆するようにここは会員制、また登録には一定の地位を要件としている。
流石に直球で年収まで尋ねられることはなかったが。
ともあれ電話予約の時点で色よい対応だったあたり、長点上機様々である。

受付「照会が完了いたしました。身分証明書をお返しいたします」

天井「はい。……入力しました」

受付「ありがとうございます。では最後にこちらのカードにサインをお願いいたします」

ちなみに手渡されたのは何故か羽ペンだった。
流石にここまでくると高級感を通り越して冗談に見える。

普段は研究や何やらに打ち込んでいるため感じないが、ふと一歩引いた瞬間、『ごっこ遊び』のような――
学園都市全体が、どこか物事を単純化し誇張し演じているように思うときがあった。
箱庭的な閉鎖空間であるからかもしれないし、張りぼての大道具のごとく建て変わるビルのせいかもしれない。

実際問題、ドラマのセットだろうと舞台だろうと、ここで生活している天井達にとっては全て切実なリアルなのだが。

受付「ありがとうございます。当施設のシステムについてご説明いたします――」





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
252Res/141.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice