過去ログ - 天井「どうしてここまで来たのだろうな」
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204: ◆n7YWDDtkCQ[sage saga]
2014/07/07(月) 20:38:36.32 ID:m+bGjAjp0

・書ける時に書き逃げてみるテスト
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天井(くそ……っ! どうして放っておいてくれないんだ!)

瞬時に頭が茹で上がったように、天井は心中できつく毒づいた。

移送も治療も成功したではないか。
MARは周りに睨まれて動きを鈍らせたと言っていたではないか。
木山の生徒達も、この件に協力してくれたメンバーも、あとは何事もない日々に戻れるのではなかったのか。

白熱し狭まる視界の中に、携帯を握り肩で息を吐くモノトーンの姿がぼんやりと映る。

天井(ああ! くそ、しっかりしろ! 時間を無駄にするな……!)

落ち着け。
呼吸と脈拍を思い出せ。

目の前に壁があれば頭を叩きつける勢いで奥歯を食いしばる。

体内を巡る血の音に意識を向けた瞬間、逆回しにするように視力が帰ってきた。


布束「In case, そっちも何かあったの。只事じゃない顔よ」

天井「……あぁ。しかしメールが気になる。今来たのか?」

布束「えぇ……。Slightly, 数分前」

こめかみに力が入る。
時間は無い、が。
考えなければ。


天井「見せてくれ」


 From: 春上 衿衣
 Sub: 無題

 どうしよう、すごい悲鳴が聞こえたの
 頭の中に
 怖がってた。どうすればいい?
 友達、なにかあったかもしれないの


絵文字も顔文字も無い、削ぎ落されたような文面だ。
それでいて要領を得ない内容からは混乱が滲んでいる。

メールだけでそれ以上は知りようがないが、しかし初対面の時のように夢遊病紛いの状態ではないようだ。
少なくとも、文字を打ち込み送信することができているのだから。

布束「For a while... 落ち着くように返信してみるわ」

天井「そうだな。それと打ちながらでいい、最近の様子や会話の流れを教えてくれないか」

こくり、と頷き一つ。
キーボードも携帯のダイヤルキーも普段自分の一部のように使いこなす布束だが、しきりに指を滑らせては顔をしかめた。
部屋に飛び込んできた時の血相に、「衿衣」と親しげに呼んでいたこと。
きっと、あの時交換した二人のアドレスにはメールが飛び交っていたのだろう。

天井(早く……早く何とかしなければ)

意識ばかりが急いていく。
伏せた目に画面上の白いウィンドウが再び飛び込み、天井は苦く唾を飲んだ。
こちらの送信者も、春上や布束以上に憔悴しているだろう。





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