過去ログ - 天井「どうしてここまで来たのだろうな」
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234: ◆n7YWDDtkCQ[sage saga]
2014/08/25(月) 02:55:44.64 ID:DR519gL30

・暑い眠い……
 1レスだけですみませんです
 不定期更新になってしまったものでsageてましたテヘペロ


>>229
 天井のクルマは、アニメで都市外製のに乗ってたのがちょっと意外でしたり
 高級……というかプレミアム的な車種だというのもそうですが、
 わざわざ外から取り寄せるのは例えるならアンティーク趣味的なものでしょうか
 天井は結構車道楽なんでしょうね(もしくは成金趣味)

 >>1 はクルマについて詳しくないのですが、このスレの天井の愛車はちょっと良いセダンな感じかと
 研究所持ちの原作と違って実験器具の運搬や協力者の送迎などに使うにはスポーツカーは厳しいでしょうし、
 ワゴンとか軽は実用的ですが上記の趣味とは噛み合わないかなー、など


ハンドル上に両腕を組み、だらしなく顎を乗せる。
指先だけが忙しなくハンドルを叩き、落ち着かない心情を示していた。
車内特有の匂いを消しきれないエアコンの風を浴びながら、天井は数か所のミラーを順に目で辿る。

ここは寮――ではなく、少し離れた路肩である。
春上の寮、ひいては在籍する学校は、本人が置き去りかつ低能力者という境遇ゆえかあまり高いランクではない。
寮監などというものが存在しない代わりに学生証を用いた入退管理を行っていた。
それ自体は余計な人間の記憶に残らない分、都合がよいと言えなくもなかったが……。

「監視カメラだけはどうにもな」

無難な寮とはいえ最低限のセキュリティは存在している。
天井にも布束にも痕跡を残さず機械を騙しおおせるようなスキルはない以上、
テレスティーナ達に顔の割れた天井の姿を記録に残すのは上策ではないと判断した。
必然的に布束のみが先行し春上を連れ出すという形になった。

当然監視カメラなど目的の寮以外にも設置されているため、
コンビニなど駐車しやすい箇所を避けなければならなかった結果が路駐である。
生徒達の救出以前に警備員とお話合いする羽目にならないことを祈るばかりだ。
何故か間の悪い目に遭うツンツン頭の少年でもないから、この短時間で巡回に引っ掛かることはないと信じたい。

「早く帰ってきてくれ、布束……」

と、こつこつ窓ガラスをつつく音がする。
果たしてそれは同僚の小さな拳のもので、手元で鍵を操作すればするりと少女二人が後部座席に滑り込んだ。

「Thank you for waiting. とりあえず出ましょう」

「ああ」

シートベルトを掛けるのも待たずに車を発進させる。

「あ、あの! 絆理ちゃんは無事なの!? 天井さんが治療の手伝いをしてくれたってホント?」

「無事に助けるために力を貸してほしいんだ。
 治療に関しては私はほんの手伝いだけだったが、彼女らの先生や主治医も皆、枝先君達を探して動いている。
 勿論私達も全力で助けに行く」

「私もできることなら何でもする! でも、声が聞こえない……さっきからずっと聞こえないの……」

俯いてしまう少女の肩を、布束が静かにさする。
年の離れた二人はどちらも、痛みを堪えるように睫毛を伏せた。

「今は眠っているのだと思うわ。Afterward, 目覚めてからの声が一番の手掛かりなのよ。
 こちらから話しかけられなくとも、きっと唯一の連絡手段をお友達も頼ってくるはず」

「うん……。絆理ちゃん……!」

ぎゅっと祈るように両手を握る春上。
背を丸めた小さな姿に唇を噛みながら、天井はバックミラーから前景に意識を戻した。

(一旦保護はできたものの、どこに向かうか……。
 外出時を狙った手口や、そもそも春上はターゲットでないことを鑑みると私達が強硬手段を受ける可能性は低いが)

交差点の赤信号にタイヤを止める。
片道一車線の小道は、九十度づつ真っ直ぐに伸びている。





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