過去ログ - 天井「どうしてここまで来たのだろうな」
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◆n7YWDDtkCQ
[saga]
2013/08/25(日) 23:07:18.59 ID:d1EdXp5v0
白いウィンドウにフォントが走り、思い直すように先から消える。
本題――ゲコ太以外の近況やDNAマップについて強引に聞き出すか決めかねているのだった。
メリットとしては、御坂こそが天井に目を付けられている原因であった場合、
それを把握しておけばMARに与える印象をコントロールしやすくなる。
デメリットとしては彼女からの警戒。
確か「前回」は強度の低い幼少時にDNAマップを提供していたはずで、
強能力者となった現在ではそのあたりのパーソナルデータ管理について指導済みの可能性が高い。
天井が筋ジストロフィーの治療研究をしているという事実から多少ハードルは下がるだろうが……、
自然な流れならともかく、取って付けたように水を向けても話してくれるかどうか。
天井「……ふぅ。ここで無理を通す必要は無いか。第一、御坂が原因の可能性は低いだろうしな」
絶対能力進化実験という括りなら無くはないのだが、そちらの面では第一位との接触などもっと目立つことをしている。
敢えて今御坂に踏み込み、藪蛇を出すこともないだろう。
方針を切り替えて一度返信画面をクリアにする。
語りに飢えているらしいマニア心を刺激しないように、無難かつ気楽な返答を打つことにした。
天井「グッズにアニメ、映画……ねぇ。『観てみる』とは言わない方が良いだろうな。
あまり興味を見せすぎると今後ゲコ太の話しかできなくなりそうだ」
そちらの方が親しくはなれるだろうが。
実態として今はショップ巡りや映像作品に費やす時間は無く、メールの度に暗に感想を求められても困るのだった。
咥えたストローの先をがちりと噛む。
御坂美琴。
目論見とトラウマ、何よりあの記憶さえなければ、青髪達と同じく普通の学生相手のように接していただろう。
こんな実利しか見ないような意思疎通ではなく。
もっともその場合は関わりを持つ接点すら存在しなかったのだが。
天井「……世迷い事だな」
あの時のように、彼女のDNAを裏の研究に流用するのではない。
危険に誘導するでもない。
ならば、それ以上を自身に求めるのは酷というものだ。
空になったパックを放ると、不恰好に壁でバウンドしゴミ箱の中に納まった。
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