過去ログ - 天井「どうしてここまで来たのだろうな」
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74: ◆n7YWDDtkCQ[saga]
2013/09/16(月) 23:31:59.66 ID:17yokrYo0


その午後。
予定通りならまたも炎天下を歩き回るところだが、天井は快適な室内の椅子に腰掛けていた。

柳迫「わざわざゴメンね、センセ」

天井「いや……乱闘事件の追加調査だったか?
   先輩の彼女からでも声を掛けてくれれば、わざわざ場所を用意せずとも学内で何でも話したのだが」

ただのビルの一階にある、何の変哲もないチェーン店のコーヒーショップ。
だが、エントランスの横に目立つように設えられた掲示により、そのスペースは大きな意味を持つようになる。

天井が黄泉川相手に呑む、それも外部に漏らせない話題を持ち出すときに使うような、奥まった一席。
白を基調としたシンプルなテーブルセットを挟むのは、協力関係にある柳迫と、初対面の別の風紀委員だった。
彼女達にとってここは外部の人間に話しを聞くための舞台として機能しているのだろう。
それも、支部に「連行」する確証はないが、逃げ場を塞いでおきたい類の相手から。

柳迫「一応、調書は取らないといけないからさ。ま、内容は世間話と変わらないから気軽にしてよ」

そういう主張で、別の風紀委員も同席しているらしい。
しかし、あの事件に今更調べることなんてあるだろうか?

柳迫「センセってAIMとかも調査してるんだよね。あ、電撃使いだけだっけ。他の能力者のことも詳しい?」

天井「電撃使い以外はほとんど分からないな。
   勿論AIMとしての電磁波は他のAIM拡散力場の影響を受け、微弱に変化する。
   だが、その個々について論じられるほど造詣は深くない」

柳迫「うーん、そっかぁ……。実はあの時、ちょっとだけ能力にブレが生じたんだよね、私とセンパイ両方に。
   調子が悪かったのかなーって思ってたんだけど、乱闘してた側にも――」

そんなはずはない。

つまりこれは彼女達の立場からの、本番への布石なのだ。

天井「能力不調の原因がAIMにあると?
   確かに違う種類の能力に影響するとなるとAIMか……大型施設の中には能力抑制設備もあるというが。
   いずれにせよ私は大したことを話せないが」

柳迫「まぁまぁ、身近な専門家ってことで一つ。
   それにセンパイのプチ開発で、AIM測って歩いたりしたって聞いたし」

無口にメモを取るもう一人を置いて、親しげに話す柳迫。
腹芸のできるタイプではないと思うのだが中々に二重の仮面を上手く被っている。
対象と顔見知りであり、しかも裏で通じているという安心感もあるのだろう。

柳迫「何かあの場で疑問に思ったこととか……気が付いたこととかありません?」

奇しくも、やり口は天井のものと似通っている。





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