過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】
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69: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/08/13(火) 02:41:53.88 ID:1pCuTjFNo

もこ「……大丈夫?」


 そんな言葉と共に、柔らかい感触。
 対木もこが、京太郎の頭を抱きしめていた。

 己には、淡がいる。
 こうして、弱っているところを慰められるのはありがたいが……。
 それでも何と言うか、ある種これは裏切りに思えた。

 押し返そうと、腕に力を籠めようとする。
 だが、今度はあの感覚が襲ってきた。
 体内を蝕む――虚無へと向かう/全てを価値のないものに変えようとする――あの、狂い。

 視界がブレた。
 思わず、吐き出しそうになる。


もこ「わたしが、一緒に考えてあげる」

もこ「わたしが、あなたを治すのを手伝ってあげる」

もこ「貴方は皆を守ってきた――だから、こんな仕打ちは酷い」

もこ「でも、安心して?」

もこ「わたしがあなたを、たすけてあげるから」


 静かに、耳元で囁かれる言葉。
 そうして彼女が唇をよせるのは、声が小さいからだろうか。
 京太郎を説き伏せるように、甘い声が、沈んでいく。

 だがそれは、些か的外れだ。

 京太郎が感じた痛みは、そちらではない。
 確かに、辛いのだ。現に、こうして視界が歪んでいくのは、不快でしょうがない。
 だけれどもそれ以上に、心が痛んだ。


京太郎「……悪い、それは、助かる」

京太郎「でも……」


 ――こうやって抱きしめられるのは、違う。



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