過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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2: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/14(水) 00:10:56.77 ID:tJOLQydwo
「怜……」

自分の部屋のベッドに腰掛けて清水谷竜華は一人泣いていた。

一週間。竜華はこうして自室に引きこもり泣きながら過ごしている。

それは竜華の親友である園城寺怜が亡くなったことに起因する行動だ。

インターハイでの成績が認められ二人とも同じプロチームから声をかけてもらって喜んでいた矢先だった。

怜が急に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった。

元々怜は病弱で倒れてしまうことも間々あったのだが、亡くなる少し前までは体調はよくなっていると言っていた。少なくとも竜華の前では。

なので怜が倒れたとの電話を受けた竜華にとっては正に寝耳に水で、彼女は着の身着のまま慌てて病室に駆け込んだのだが既にベッドに眠る怜は冷たくなっていた。

死に目にすら会えなかった。遺体に取りすがって泣く竜華は自分を責めた。

どうして気付いてやれなかったのか。誰よりも側にいたはずなのに。

それを通夜、葬式が終わってから学校にも行かず部屋で後悔して泣き続けているのだ。

「怜ぃ……」

震える声で怜の名を呼ぶ竜華。この一週間で何度その名を口にしたのか竜華自身にもわからない。

「何で、何で死んでもうたん怜……?」

呟いた言葉は応えのない自問のはずだった。しかし――

『何でやろなぁ〜』

気の抜けた声が竜華の耳に届く。それは竜華が今何よりも聞きたい声だった。

「怜……?」

『久しぶり竜華。ひっどい顔しとるな』

うつむけていた顔を上げた竜華の目の前、千里山女子学院の制服を着た怜が顔をしかめて浮いていた。

そう、浮いている。半透明に透き通った体が漂うように何もない空中を上下していた。

「幽霊?」

『ちゃう。枕神怜ちゃんや』

怜は首を振り何故か偉そうに胸を張った。


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