過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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3: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/14(水) 00:11:25.82 ID:tJOLQydwo
枕神怜ちゃん。インターハイ団体戦準決勝で竜華が発現させた能力だ。

竜華が他人からは見えない怜の幻影、枕神怜ちゃんを呼び出して和了までの未来を教えてもらうという、二人の絆の証ともいえる能力である。

「怜ちゃん……? でも怜ちゃんと本物の怜は思考とか共有しとるんじゃなかったん?」

それは竜華が怜ちゃんを発現したあとから怜に聞いたことだった。果たして本体の怜が死んでしまっているのに怜ちゃんが出てこれるものなのか。

『出てこれたんやから理屈なんかええやん。元々何で出来るんかわからん能力なんやし』

投げやりな答えだが確かに竜華にも怜にも枕神怜ちゃんの原理は解明出来ていなかった。何が起きても不思議ではない。

「そうやな理屈なんかどうでもいい。また怜に会えたんやから……」

竜華は手を伸ばして怜の腕に触れる。確かな温もりが掌を通じて竜華の全身に広がってきた。

「怜ぃ……!」

竜華の目から涙が零れた。この一週間流し続けた涙とは違う喜びの涙が。

『ごめんな竜華。うちのせいでこない苦しませて……」

「ちゃう! 怜のせいやない!」

悲しげに目を伏せた怜を竜華は抱き寄せた。

病院で抱いた遺体とは違う暖かい感触に竜華の目から溢れ出す涙の量が増す。

「うちが、うちが気付けへんかったから……!」

『気付けへんかったて、うちが倒れたとき竜華おらんかったやん』

「死んでまうほど体調が悪かったのなら何か前兆があったはず。怜はそれに苦しんどったんやろ? せやのにうちは……ごめんな」

『……もうええやん。うちは気にしとらんし竜華も気にせんでええ』

怜はそう言って泣き濡れる竜華を抱きしめ返した。

『ほらっ、はよ小母さんらに顔見せて安心させたり。風呂も長いこと入っとらんのやろ?』

「うん……」

怜に促されて竜華はベッドから立ち上がり歩き出した。

(ごめんな竜華……)

怜は心の中で竜華へ謝りながら空中を滑るようにして彼女の後についていった。


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