過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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46: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/19(月) 00:30:39.46 ID:es8x9f8Zo
『皆が皆能力使えるようになったら、うちほんまにいらん子になってまう』

もし他に能力が使える人間がいたなら三軍の実力しか持たない自分なんかすぐに追い落とされる。怜はそれをずっと恐れていた。

死してもはや麻雀を打つことすら叶わない身となった今でも能力が希少なものであると思っていたかった。

だからこそ自身が他人とのコミュニケーションを図れるようになる可能性が限りなく薄いと言われても、怜は悲しむどころかむしろ安心したような気持ちを抱いていたのだ。

『残念やけどさ才能で決まるんやったらどうしようもならへんやん。うちは竜華とだけでもこうして触れ合えたら満足やから』

顔を見られたくないのか怜は竜華の背後に回って首筋にそっと腕を回した。

『怜……』

怜がそんな感情に苛まれていることなど初めて知った竜華は労わるように親友の手を握る。

確かに怜が能力によってエースの座を勝ち得たのは事実だ。しかし、と竜華は怜のその感情に否を投げかけようとしたのだが、

『それはちゃ――』

「ま、まだや!」

急に大声を出して席を立ったセーラに驚いて念を途切れさせてしまった。

「まだ俺らに才能がないて決まったわけやない!」

「……びっくりしたぁ。いきなり大声上げないでよ!」

立ち上がる際に卓にぶつけた腰を擦りながら反対の手で作った握りこぶしを胸に燃えるセーラを、淡は耳を塞いで睨みつける。

「確かにそうだが……」

「限りなく低いと思うよ」

「おい、さっきからお前ずけずけ言いすぎだぞ!」

言葉を濁そうとしたのにきっぱりと言い切った淡に菫は淡共々怒声を浴びせた。

「怒らないでよ〜」

「さっき淡が言った通り嘘を吐いても仕方ないことだよ」

「だからって言い方があるだろ! 彼女達は、その……友人を亡くしているんだぞ」

「亡くしたってそこら辺飛び回ってるんでしょ?」

菫が怜を引き合いに出しても淡は反省の色を見せず見えない怜を探すように部屋の中で視線を彷徨わせる。


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