過去ログ - 竜華「何で死んでもうたん怜……?」 怜ちゃん「何でやろな〜」
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9: ◆lhQ1p.wlng[saga sage]
2013/08/14(水) 00:14:22.36 ID:tJOLQydwo
「あん? どうしたんや竜華?」

「顔赤いですけど大丈夫ですか?」

セーラと泉に声をかけられて竜華が我に返ると、他の三人の前には牌はなく次局への準備を済ませていた。

『あっ……悪かったわ竜華』

怜も同時に我を取り戻してやりすぎたことを詫びて竜華の胸から手を放す。

「……なんでもない」

何故か惜しいと感じた自分の気持ちを誤魔化すように竜華は頬を両手で叩き、自分の牌を押し出して卓に流しこんだ。

「……」

「な、なに船Q?」

「いちゃつくのもほどほどにしてくださいよ?」

「なっ……!?」

怜が見えていないし声も聞こえていないはずなのにまるで見えていたかのように忠告してくる浩子に、竜華は絶句する。

「あ〜、園城寺先輩とやらしいことしてたんですね?」

「ちゃ、ちゃう! 怜が勝手に!」

「やってたんやないですか! いや〜、やらしいですわ〜!」

口を滑らせてしまった竜華を茶化すように笑う泉。

「負けとるくせに余裕やな竜華」

「せやからうちが望んでたわけやないって!」

「ええい問答無用や! こっからの連荘でぶっ飛ばしたるからな!」

青筋を立てたセーラは竜華の言い訳には耳を貸さずせり上がってきた手牌の理牌を始める。

発端である浩子は、

『ほんとは見えとるんとちゃうやろうな?』

と顔の前で手を振る怜には目もくれずに素知らぬ顔で理牌をしていた。怜が見えているということはなさそうだ。

『怜のせいで恥かいたやん!』

『せやから悪かった言うたやん』

自分も牌を並べ替えながら竜華は背後に戻ってきた怜と言い争う。

変わらない。怜がそう言いたくなった気持ちは竜華にもわかっていた。

こうして怜との会話をしているとたった十日前のことがひどく懐かしく感じられるからだ。

(もうあの日々は終わったんや)

竜華は何もかも捨てて泣き続けた一週間の記憶を目の前の卓に集中することで締め出した。

その日、竜華は怜ちゃんの未来視を使おうとはしなかった。

怜ちゃんの能力には使用限度がある。

その事実を考えることを拒んでいるかのように竜華は忘れ去っていたが、無意識の内に避けていたのかもしれない。


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