過去ログ - 【R18】京太郎「おもち少女から和了ると発情させる能力かぁ」巴「その9ね」
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671: ◆phFWXDIq6U[sage saga]
2013/09/06(金) 23:14:02.58 ID:DtkKb4Jxo

霞「(でも…私は自分の事で頭が一杯で…)」

これまで少なからず尽くそうとしてきた家の知りたくなかった『真実』。
それに霞が最初に覚えたのは強いショックであり、誰かに対する気遣いではなかった。
勿論、それは人として当然の反応であり、彼女が自己中心的な人物である事を意味しない。
寧ろ、そうやって真っ先に主祭神の辛さに思い至る小蒔の方が異常だと言っても良いだろう。

霞「(何だかんだ言いながらも…やっぱり小蒔ちゃんは神代の巫女なのね)」

そうやって真っ先に主祭神の事を思う小蒔のそれは優しさだ。
霞にこの子だけは辛い思いをさせないように護ってあげようと心に決めさせた小蒔の美徳である。
しかし、それだけとは思えないのは、彼女の特殊性を彼女は何度も目にしているからだろう。
これまでの巫女と比べても一線を画するその力は、器としてではなく、側に並び立つ『神々の花嫁』としての面が強い。
そんな彼女が真っ先に主祭神への優しさを見せたという事に、霞は彼女が未だに根本的な部分では『神代の巫女』であり続けているのを感じた。

小蒔「でも…私…少しだけ嬉しいです」
霞「えっ…?」

けれど、その瞬間、聞こえてきた小蒔の声を霞は理解する事が出来なかった。
何せ、今語ったそれはあまりにも陰鬱で、知りたくなかった事実なのである。
恐らくこうして神代の外に出なければ祖母だって教えてくれなかったものなのだ。
そんな暗い事実を伝えて、嬉しくなれる要素が何処にあるのか。
そう思う霞の前で小蒔は恥ずかしそうにはにかみながら、ゆっくりと口を開いた。


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