1: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:42:15.77 ID:3s0Zn1QW0
 
 男「『隊長、現場に到着しました』『応答願います』『窓は開いていたのか』『はい、運よく開いていました』『上出来だ、まずは周囲に人がいないか確認だ』」 
  
 男「『周囲に人はないようです』『油断するな、どこに隠れているのかわからないぞ』『しかし、お言葉ですが隊長、今年廃校になる中学に誰かがいるものでしょうか』『念には念を、というやつだ』『見つかると最悪警察が来る』『はっ、わかりました』」 
  
 男「『た、隊長』『どうした、男隊員』『だめです、鍵がかかっています』『どこにだ』『ドアノブにです」これではこの部屋から出られません』『慌てるな、一回外に出て、他の窓に挑戦してみるんだ』『はい』……」 
  
 男「なんつってな」 
  
 男「いやぁ、しかし、懐かしいなぁ。ここはどこだ。なにもないけど……あぁ、教室か。電気は……とおってないよな、さすがに」 
  
 女「あの」 
  
 男「……え?」 
  
 女「あの」 
  
 男「……」 
  
 女「あのー」 
  
 男「……」 
 
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2: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:42:46.78 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「なにしてるんですか、こんなところで」 
  
 男「こ、こんばんは」 
  
3: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:43:52.87 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「なんで、スパイみたいな?」 
  
 男「え? いや、別に」 
  
4: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:44:48.81 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「忍び込んでおいて、説得力なんてないですよ」 
  
 男「泥棒じゃありません、信じてください」 
  
5: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:46:20.63 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「……」 
  
 男「なんですか?」 
  
6: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:48:01.76 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「あ、そうですか」 
  
 女「夜にいるわけないですもん」 
  
7: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:50:31.16 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「……先生?」 
  
 女「違います」 
  
8: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:52:44.83 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「……」 
  
 女「それで、なにしに来たんですか。卒業生さんは」 
  
9: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:54:12.28 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「でも、河川敷ですよ。花火の場所」 
  
 女「屋上で見たいんです」 
  
10: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:55:01.29 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「……同じですよ」 
  
 女「同じって? 花火?」 
  
11: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:55:59.85 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「……わかりました。聞いたのはわたしです。保留にします。……どうせここに盗みに入ったって、なにもないのは明らかですしね」 
  
 男「本当ですからね」 
  
12: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:56:42.24 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「この学校の名前は?」 
  
 男「丸山中学校」 
  
13: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:58:01.67 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「それで、信じてもらえたんですか」 
  
 女「あぁ、そうでしたね。信じますよ。発言には責任持ちます」 
  
14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 09:59:45.96 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「……いきなり距離つめてきますね……」 
  
 女「そうですか? いつもどおりですけど」 
  
15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:00:13.34 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「肝試しみたいな感じってありますよね」 
  
 男「そのまま学校の怪談ですから」 
  
16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:00:40.60 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「手紙やり取りしてるうちに、エスカレートしてしまって」 
  
 男「手紙?」 
  
17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:01:25.34 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「……」 
  
 女「どうかしました?」 
  
18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:03:07.37 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「……」 
  
 男「……」 
  
19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:03:37.95 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「……」 
  
 男「さっき言ったじゃないですか。時代は変わらないって。だから」 
  
20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:04:43.72 ID:3s0Zn1QW0
  
 女「このあたりに時間割とかありませんでした? 
  
 男「……確か、『毎日を楽しく過ごす』」あと、『一日一善』」 
  
21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/14(水) 10:05:35.63 ID:3s0Zn1QW0
  
 男「まだ防犯装置とかって作動するんですかね」 
  
 女「でも、ここ、今年解体ですからね。電気も通ってないみたいだし、それなら防犯装置とかは作動しないんじゃないですか」 
  
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