223:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/15(日) 01:55:27.56 ID:YB5j+KsB0
「はい」
(え・・・・・・?、前の俺は美琴にあーん、をしてもらってたのか?)
前の自分が羨ましいと思う反面、ここで素直に口を開けてあーん、としてもらうのは恥ずかしい。
でもここで拒否をしたら怪しまれるのではないか。
「・・・・・・何してるのよ、病人は黙って食べさせてもらうものよ」
(あ、そういうこと)
納得したためとりあえず口を開けた。
恥ずかしいことに変わりはなかったが、口に入った林檎によりその考えは消え去った。
(う、美味すぎるだろこれ!!)
それは噛んだ瞬間、シャリッ、と小さな音を立てて水分が甘味と共に口いっぱいに広がった。
記憶のあるうちに林檎を食べたのは初めてだがすぐに上条はわかった。これは高級品であると。
「あ、あのつかぬ事をお聞きしますが、これ、おいくら?」
「ん?あんまり値札とか見てないけど、せいぜい1、2万程度じゃないかしら」
「なっ!」
平然と万単位の値段を『せいぜい』と言う美琴に上条は驚きを隠せない。
もしかしたらお金持ちのお嬢様ではないかと上条は考えた。
(そんなお嬢様と付き合ってた前の俺、一体何をしたんだ?)
前の自分がどんな人間だったのか、高級林檎を食べさせてもらいながら上条は考えていた。
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