355:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/05(土) 02:54:16.42 ID:ZHP1gZOG0
「・・・・・・本当は、あんたが記憶喪失だってこと、最初から知ってたの」
ピタ、と上条の体が固まる。
「ごめんな、ずっと隠してて」
お互いに後ろを向いていたが、きっと上条は申し訳なさそうな顔をしているのだろう。
理由なんて最初からわかっている。恨んでなどいないし、上条が謝るべきだとも思っていない。
「どうせ、誰にも心配かけたくなかったとかでしょ?」
美琴は振り返って、
「だから、さ。『あんた』の言葉で1つ聞きたい」
『彼』に問いかける。
「怖くなかったの?今回のことも、前に錬金術師と戦ったって言ってた時も」
それに対し、上条は振り返り、少しばかり笑って答えた。
「確かに怖かったけどさ、誰かが泣いているのを見ると、自然に足が動いちまうんだよ」
その言葉で、美琴は『それ』がなんのなのか、理解できた。
(やっと分かった)
ずっと心の奥底に溜め込んでいた『それ』がなんなのか。
「当麻!!」
上条に向かって走り出した。その手のクッキーも放り投げて。
「みこ、っ!?」
そして泣きながら、抱きついた。
「私が好きになった『上条当麻』は、ずっとここにいた。アンタは今でも私のこと、好き?」
「・・・・・・俺は、『上条当麻』は、御坂美琴のことが大好きだ」
あの時と同じ。
お互いの気持ちを知って、受け止めて。
幸せの口付けを交わす。
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