529:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga ]
2014/02/09(日) 23:34:29.63 ID:oPXsKTTa0
とりあえず休もう歩き回って、近くのベンチに腰を落ち着けた2人。ホットドックの屋台が目に映る。
「そうだ、あれ買ってくるわね」
そう言って美琴は立ち上がると、ホットドックの屋台まで駆けて行き、数分して戻ってきた。手にはホットドックを2つ持ち、片方を上条に差し出した。
彼女に奢ってもらうのは悪いからと、せめて1人分の代金は払うと上条が言うと、美琴はさも当然のように言う。
「いいわよ2000円くらい」
…………はい?2000円??
このお嬢様は何を言っているのだ?
「2000円?」
「うん」
「2つで4000円?」
「そのくらいの足し算誰でも出来るわよ」
「……」
これはマズイのではないかと上条は考えた。
将来上条家に嫁入りするときに2000円もするものを平然と買っていてはマズイのだ!!
「(いやいやいや何考えてんだよまだ決まったわけじゃ……いやでもそうなって欲しいわけで)」
「……どうしたの?早く食べなよ」
ブツブツと呟く上条は美琴にホットドックを口に押しつけられて我に返る。
「あ、いや、何でもない」
美琴からホットドックを受け取り、美琴はベンチに座った。
一口、食べてみる。
(美味い)
さすがは2000円のホットドック。そこらで買うのよりも美味しい。
具体的にどこが美味しいのかと聞かれると答えられないのが悔しいが、美味しい。
ホットドックを頬張りながら、チラリと美琴の方を見る。同じくホットボックを頬張っている彼女の鼻の下に、マスタードが付いている。
「美琴、マスタード鼻についてんぞ」
上条はベンチにホットドックを置いて、ズボンのポケットからハンカチを取り出して、美琴の鼻のマスタードを拭いてやろうとするが、美琴は、いい!と、自分のホットドックを上条のホットドックの隣に置いて、上条のハンカチを奪い取ってゴシゴシと焦りながら鼻を拭いた。
「っ!――――!!」
突然美琴が悶え始めた。マスタードが鼻の粘膜に付いてしまったのだろう。
「だ、大丈夫か?」
「へ?にゃ……なんのことひょ」
美琴は涙目ながらも、この事実を無かった事にしたいらしい。
天下の超能力者が恋人の目の前でマスタード相手に無様に自爆したなど、恥ずかしくてしょうがないと、美琴は思っているのだろう。
「でも涙目の美琴たんも可愛いな」
「ふにゃ!?」
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