過去ログ - ジョセフ「お前がディオ・ブランドーか」ディオ「そういう君は
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[saga]
2013/09/29(日) 22:07:08.85 ID:J34/+Co00
とある時刻、とある街―――――
女の悲鳴が木霊する。絞りかすのミイラとなった死体が投げ捨てられる。
全身を火傷で彩られたディオ・ブランドーが、回復のための『食事』を続けている。
ディオ「むうぅ……この傷、数人の命を吸っただけでは癒えぬ……もっと…もっと血が必要だ……それも、若い女の物が…望ましい……」
ディオに『食糧』を調達しているのは、ディオに血を吸われ、下僕と化した東洋人、ワンチェンだ。
ディオ「あの時……ジョージ・ジョースターの肉体を直接捕食し、僅かでもエネルギーを摂取していなければ……夜が明ける前にワンチェンが石仮面を回収しに館を訪れていなければ……このディオの命運はあの夜尽きていた……」
ディオ「ジョジョ……奴だけは始末しなければ……このディオが帝王として覇道を歩むためのケジメ……奴だけは、どうあっても殺さねばならない……」
ディオ「ワンチェン!」
既にディオに絶対服従のゾンビと化したワンチェンは、膝をつき、ディオの前で首を垂れる。
ディオ「ジョジョの様子を偵察してくるのだ……殺せるようなら殺していいが……奴は抜け目のない男……くれぐれも慎重に事は行え……」
ワンチェン「はっ……」
ワンチェンの姿が闇の奥に消える。
ディオは次の食糧へと手を伸ばす。
「ひ…! やめて、助けて……!!」
少女の懇願はディオの耳には届いていない。
人が家畜の首を落とす時に生じる僅かな罪悪感すら、今のディオからは消失している。
「ひきゃ、あああああああアアアアアあああああアアアアアアアアああああああアあアあアああアあ!!!!!!」
ディオ(ジョジョ……貴様は……貴様だけは……)
少女の断末魔の叫びをBGMに、ディオは黙考する。
今宵は満月。
ジョジョはツェペリの修業に悲鳴を上げながら月を見上げた。
ディオは捕食する少女の悲鳴を聞きながら月を見上げた。
歩む道はかけ離れ、激突することが定められた二人。
しかし皮肉にもその時月に託した願いだけは一致していた。
『お前だけは、必ず殺す』
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