67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:31:26.42 ID:5KYJ1bMVo
モバP『何か失敗や不都合があったら、責任は私になすり付けて欲しい』
モバP『責任を取るというのも、プロデューサーの仕事の内だから』
プロデューサーさんにそう言われたとき、私は反発しました
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:32:07.48 ID:5KYJ1bMVo
或る日、私がまだ一流アイドルには達していなかった頃
今日と同じ体の芯から茹だるような暑い夏
その日の私は、バラエティ番組に出演していました
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:32:48.66 ID:5KYJ1bMVo
私を推してくれたのは、その道では長く、齢60に達しようかという俳優さんでした
B級映画、と表現するのが適切かどうかはわかりませんが、とある作品で共演した仲でした
俳優さんは主演で大立ち回りをしていました
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:33:45.82 ID:5KYJ1bMVo
番組の収録をそつなく終えて(今思うと、テレビの前で頑張りますを言い出したのはその時が初めてでした)私は楽屋に戻りました
そこでスタッフさんに声をかけられました
「大御所の俳優さんが島村卯月さんを呼んでいる」
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:34:48.98 ID:5KYJ1bMVo
しかし、心の本の片隅に、何かイタズラをされるのではないかという不安もあったのです
と言うのも、先述したB級……もといマニアックな層に向けた映画作品
括りはミステリーでしたが、彼は強姦魔という役割で、私はその犯人に殺されるという役柄を演じていたからです
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:35:39.80 ID:5KYJ1bMVo
その時の俳優さんの演技は鬼気迫るものがあり
演技とわかっていながら、「本当に襲われる!」と怯えて目尻に涙が浮かぶ程でした
その印象は、頭ではわかっていても体には恐怖としてこびりついていました
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:36:45.64 ID:5KYJ1bMVo
その俳優さんの楽屋の前に立っている時点で、ピリピリと、緊張感が伝わってきました
全身に寒気を感じて、鳥肌も立っていました
「優しい人だから、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:37:33.57 ID:5KYJ1bMVo
彼の話は至極単純明快で、私の演技への批判でした
とは言えど、注意されてみれば確かに「そこを直せば演技力が向上する」という事柄ばかりで、目から鱗が落ちたものです
話の最中、彼は時々私を慈しむかのような眼で視線を送って来ました
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:38:01.22 ID:5KYJ1bMVo
言葉が口から突いて出て、それから私は場の雰囲気が変わったことに気がつきました
隣に立っていたはずのプロデューサーさんは、額を地面に擦り付けて、しきりに謝罪の言葉を口にしていました
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:38:34.15 ID:5KYJ1bMVo
その後私は、プロデューサーに病院へ連れて行かれました
診断の結果は、季節外れのインフルエンザ
度重なるオーディションや仕事による疲労で体力が落ちて、そこで感染したようでした
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/08/18(日) 01:39:17.93 ID:5KYJ1bMVo
モバP「この時期のインフルエンザはどうしようも出来ません」
モバP「自分が島村さんの体調不良に気がつけなかったのが全ての責任です。申し訳ありませんでした」
十つは下の、言ってしまえば「小娘」の私に、彼は深々と首を垂れて謝罪しました
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