33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/08/24(土) 09:39:47.12 ID:Eikl4zs70
「闇に呑まれよ」
闇と言うのは名ばかりで、私に向けて振ってくる大量の机、机、机。
私の影が机の影にすっぽりと飲み込まれて、瞬間、ひときわ強く地面を踏みしめました。このままでは圧死確実。
形容しがたい音が響いて、なんとか直撃こそ避けましたが、左足が机の脚と脚の間に挟まれて身動きが取れません。少しも動かない私の足首。机がぎちぎち皮膚に食い込んで、もがいた指が地面に跡をつけます。
一体どこから? 顔だけ動かして周囲を窺えば、先ほどまで私がいた三階から、黒マントは机に腰かけたままふわふわと降りてきていました。そういう使い方もできますね。当然。
思いつかなかったこちらのミスです。
黒マントは呵呵大笑として、そのオッドアイで私を見ました。
黒マント「うひゃひゃひゃ! 俗人としてはよく堪えた方よ! が、しかぁし。我の『黒光纏いて優雅に踊れ』の前では、何人たりとも逃げることは叶わん。無駄無駄無駄ァ!」
明らかに常人離れした風貌と口調の黒マントは悠々と私に近づいてきました。私を能力者だと気付いているのか、いないのか……それが生死を分ける境目でしたが、今の言葉を聞いている限り、気づいていないようです。
これは好都合。というか、これが千載一遇のチャンスです。
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